2021 Fiscal Year Annual Research Report
Long-distance-flow visualization with sub-millimeter resolution by using background-oriented schlieren
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20H02359
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
水書 稔治 東海大学, 工学部, 教授 (80433910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峰崎 岳夫 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任教授 (60292835)
太田 匡則 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (60436342)
大屋 真 国立天文台, TMTプロジェクト, 特任准教授 (80399287)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 衝撃波 / 流れの可視化 / 補償光学 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究計画では、①複眼型波面センサの補償光学系への実装、②精度検証実験(室内)、③並列解析による可視化画像解析の高速化、であった。このうち、①および②は、ほぼ予定通りに達成できたが、③については、取り組めずに、年度を終了した。以下、①および②について実績の概要、ならびに③に関する状況を示す。 ①複眼型波面センサの補償光学への実装:前年度および今年度初頭において、複眼型波面センサを試作した。これを補償光学系に組み込み、波面計測が可能であることを確認した。その結果、当初の予想とは異なる結果を得たため、再設計した。再設計後の結果は、やはり、当初の予想に比べると波面計測精度が十分とはいえないものの、既存のシャック・ハルトマン型波面センサと同等な精度を得ることができた。 ②精度検証実験(室内):精度検証においては、最終目標であるサブミリメートルの精度での、流体現象可視化を念頭におき、不足膨張噴流をシャドウグラフ法での可視化計測に対し、本研究課題で取り組む補償光学系を適用した。不足膨張噴流は、音速ノズルを用いて発生させた。不足膨張噴流と可視化光学系の間に模擬大気じょう乱(工業用ドライヤーで発生させた熱風)を発生させ、模擬大気じょう乱の有無、および波面補償の有無による各条件において可視化画像を取得した。その結果、波面補償の効果による可視化計測精度の向上が確認できた。 ③並列解析による可視化画像解析の高速化:解析に用いているプログラム言語が、並列化に十分対応しておらず、並列化の効果がほとんど現れないことが研究を進める過程で明らかになってきた。現段階で、プログラム体系を新たに構築することは、かえって研究進捗に影響を与えることが懸念されるため、当面、現行の解析手法を継続することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現時点では、開始前の研究計画と比して、サブスケール実験の準備および実施が遅延している。これは、新型コロナウイルスの蔓延による感染防止対策から、多人数や学外関係者との接触を避ける期間が長期間となったこと、学外機関の感染防止基準による共同作業の停滞が原因である。そのため、学内で単独で実施可能な要素研究を中心に今年度の研究を進めたことが「やや遅れている」と評価した理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
望遠可視化計測を野外において実施可能とするため、補償光学系のシステム化と屋外実験を可能とするための可搬化を進めると共に、要素実験による精度検証を進め、本研究課題の新規設計の補償光学系による可視化実験精度の定量的な評価を進める。
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