2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Mega Platform Technology for Large Scale Deployment of Offshore Wind Turbines
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20H02367
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
飯島 一博 大阪大学, 工学研究科, 教授 (50302758)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 巨大洋上プラットフォーム / 浮体式風車 / デジタルツイン / 構造モニタリング / 建造シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は研究初年度として、研究対象となる大型浮体の二つのコンセプトを決定した。ひとつは大型の洋上風車を搭載するための沖合設置型のセミサブ型浮体である。5M-10MW程度の一基の風車をひとつの浮体上に設置し、ウィンドファーム化する。もう一方は、ひとつの大型浮体上に複数機の風車を搭載するコンセプトもありえると考えた。ポンツーン型浮体上に一列の風車を複数機配置する。一点係留を採用することにより浮体長手方向から見て横風状態にウェザーベーンし、常に風車は風方向を向くことができる。一列配置であることによりウェイクの影響は最小化される。 これらの大型浮体を解析するための、モード法あるいは直接法に基づいた流力弾性応答解析プログラムを整備した。同解析プログラムによりポンツーン型大型浮体の建造時のシミュレーションを行った。溶接接合のクライテリアを実績にならい0.2mmと想定し、建造が可能な波高クライテリアを求めた。同シミュレーション法を大型浮体の建造シミュレーションに用いることが可能であることを示した。 次いで、構造モニタリングのためのデジタルツイン技術の開発を進めた。カルマンフィルタにより、あらかじめ得ておいた応答関数と現地での観測結果を同化させることで、入力である波浪を逆推定する解析方法を提案した。推定された波浪場を用いて、シミュレーション(順解析)することで大型浮体プラットフォームの任意の個所の構造変形状態が推定できる。これによってモニタリングが可能となりえることを示した。 最後にポンツーン型の帯状の浮体模型を二次元水槽において試験する計画を立てた。適切な構造材料を選定した。多点の変形計測により従来計測することのできなかった大型浮体の変形現象を捉えられることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の欄で述べたように、初年度に計画した事項について研究を行い、一定の成果が得られている。また、実施に際して特別の問題は生じていない。以上のことから、おおむね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の研究では完了できなかった研究項目として大きく二つが残っている。ひとつは、カルマンフィルタを用いた波浪推測法の開発であり、基本的な動作原理は確認しているものの、実地観測データもしくは実験で検証を行う必要があると考える。これについては、研究室で実施した海洋構造物の縮尺模型に関する波浪中応答実験計測データがあるので、この結果を用いた検証を2021年度中の計画に含めている。 また、残るもう一つは大型浮体の模型を用いた応答計測であるが、こちらについても2021年度中に大阪大学の二次元水槽を用いることで実施ができる。ポンツーン型を決定しているので、模型製作は比較的容易であると考えられる。大きなチャレンジとしてはDIC (Digital Image Correlation)を用いた動的な変位・ひずみ分布の計測である。別途、すでに経験のある非接触の光学的トラッキングを用いた計測を行うことで、比較の対象となりDICの検証にもなると考える。 当初の計画書に揚げていたCFDを用いた衝撃荷重の計算についても、すでに2020年度に実施スタートしており、今年度についてはCFDによる構造物の荷重評価に関する研究を拡張していく。
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