2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Mega Platform Technology for Large Scale Deployment of Offshore Wind Turbines
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20H02367
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
飯島 一博 大阪大学, 工学研究科, 教授 (50302758)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 巨大洋上プラットフォーム / 浮体式風車 / デジタルツイン / 構造モニタリング / 建造シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は①カルマンフィルタを用いた理論を浮体式風車を模擬したセミサブ型浮体に適用し、応答から入力である波浪を推定する手法の検証を行い、②大型浮体の一部を模した模型を用いて、水槽試験により大型浮体上の浮体波に関する計測を行った。 ①についてはセミサブ型浮体の応答関数を作成し、これから不規則波中の応答時刻歴を作成した。応答関数を得る際には、これまでに開発した巨大プラットフォームのための風・波複合荷重したの応答解析プログラムを用いている。生成された応答時刻歴が観測されると仮定して、入射波を推定することを検討した。シミュレーションをもとにこの方法が有効であることを確認した。また、同浮体に関する過去の実験データを用いて、開発手法の検証を行った。同調周波数を含む場合に応答関数を離散点列として表示する際、分割が荒い場合に推定精度が悪化するものの、十分に細かく分割することでこの問題を解消しうることを示した。 ②については可撓性の高い浮体模型の設計・製作を行い、この模型について二次元水槽での試験を行い、DIC装置によってひずみあるいは変位分布を計測した。大型プラットフォームの変形を面的に計測することは世界的にもおそらく初めてのことで、また実験結果により理論予想していた非線形波動の現象を確認するなど、大きな成果となった。 対外発表で言えば、①の研究については対外論文として国際会議論文(査読付き)にとりまとめた。②は年度後半に実施したために対外論文としては取りまとめ切れなかった。ほか、巨大プラットフォームの風・波複合荷重下の応答解析に関する論文、複合荷重下の疲労強度に関する論文をとりまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要で述べた通り、2021年度は①カルマンフィルタを用いた理論を浮体式風車を模擬したセミサブ型浮体に適用し、応答から入力である波浪を推定する手法の検証を行うこと、②大型浮体の一部を模した模型を用いて、水槽試験により大型浮体上の浮体波に関する計測を行うこと、を大きく二つの課題としていた。ともに計画通りに研究進捗した。 ①については過去の実験データを用いて、応答の観測によって入力である入射波の時刻歴を推定できることを示した。この研究については対外論文として国際会議論文(査読付き)にとりまとめた。 ②については可撓性の高い浮体模型の設計・製作を行い、この模型について二次元水槽での試験を行い、DIC装置によってひずみあるいは変位分布を計測した。大型プラットフォームの変形を面的に計測することは世界的にもおそらく初めてのことで、また実験結果により理論予想していた非線形波動の現象を確認するなど、大きな成果となった。この実験は年度後半に実施したために対外発表には至らなかったが、2022年度に実験解析を終え、論文化を進める予定である。 ①②より2021年度は計画通りに実施できたと判定できる。3年間の本課題研究としても、非一様構造の解析手法に関する課題、風荷重と波浪荷重下の複合荷重下の巨大プラットフォームの応答解析技術の開発課題もおおむね前年度に終了しており、計画通りといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度であり、対外発表としていくことを考えたい。特にこの二年間で成果が大きく上がった研究項目があり、確実に論文化を進める。 大きく本研究課題の方針を変更するものではないが、これまでの研究で建造と同時にメンテナンスが重要であることに注目してきており、今年もメンテナンスのための技術の研究を重点化する。課題のひとつは浮体プラットフォーム挙動の将来推定技術であり、これができることでメンテナンス率や稼働率を高めることができる技術につなげていくことを考えている。また、これまでの手法はカルマンフィルタに基づくため基本的には線形応答を対象としている。ところが実際の応答は波・風複合効果の部分は非線形性も現れることがわかっており、非線形性を取り扱えるように拡張する。そのためにニューラルネットワークなどの手法も検討する。 風荷重と波浪荷重下の複合荷重下の巨大プラットフォームの応答推定に関しては、流体力評価のためのモリソン式と翼素運動量理論による空力特性評価によるツール開発を行ってきた。実験との検証比較を行った際に、推定された応答が実験値と乖離するケースがあることが確認されたので、推定精度向上のために、ポテンシャル理論を用いた解析を実施したい。
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Research Products
(2 results)