2020 Fiscal Year Annual Research Report
希薄予混合気における衝撃波を利用した点火方法の開発
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20H02373
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鶴 大輔 九州大学, 総合理工学研究院, 助教 (10614620)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 衝撃波 / 副室式ガスエンジン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,舶用エンジンの効率を更に向上させるために,熱損失を低減する方法や,新たな点火方法の開発を行うことを目的とする.点火方法の原理は,衝撃波を利用して,希薄予混合燃焼を着火させる. 初年度は,燃焼室内の条件下での衝撃波の伝播特性を理解するために,基礎的な実験を行った.特に燃焼室内のような高圧場で,スパークプラグから発生する衝撃波の伝播の様子を観測した.また,副室といった小さな閉空間内での反射波や空間形状,スパークプラグの数などを変更して衝撃波の干渉などをシュリーレン法により可視化し,高速度カメラを用いて観測した.圧力・空気組成を変更し実験を行った.
この実験で,シュリーレン法を適用し,得られた画像に背景減算を中心に画像処理を行うことで,衝撃波の挙動をより鮮明に捉えることができ,スパークプラグの点火時に衝撃波の発生が観察することができた.基礎的な観測結果として次のようなことが分かった.最初の衝撃波に続いて複数の不規則波が発生する.壁面での反射により凹面反射波が発生する.これらの波は干渉し,副室内でくさび形の波を形成する.波の干渉によって生成された波は,最初の衝撃波よりも副室の外側に大きな影響を与える.副室のない状態では、凹面反射波は発生しない. 雰囲気圧を上げた実験により,圧力を上げても衝撃波・圧力波の挙動はほとんど変わらない.また,伝播速度もほとんど変わらない.雰囲気圧が高くなると,シャドウグラフで得られる画像の衝撃波・圧力波の濃淡はより鮮明になる.また,燃料との混合気中でも伝播の様子は変わらない.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験装置の製作が遅れてしまった.
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画に従って,圧力容器の改造と予混合気中の衝撃波の観測を行い,火炎伝播と衝撃波の伝播の様子を観測する.
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