2021 Fiscal Year Annual Research Report
データ同化と学習理論による小型高速船の実時間運動予測
Project/Area Number |
20H02381
|
Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
寺田 大介 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 教授 (80435453)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平川 嘉昭 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (00345480)
片山 徹 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20305650)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 海上安全 / 海難防止 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では本研究課題では、小型高速船の安全運航支援システムの開発を念頭におき、逐次データ同化と統計的学習理論を融合することによって小型高速船の運動を実時間で予測する新しい方法を確立する。そのための検討課題は①逐次データ同化による小型高速船の船体運動予測数学モデルの構築、②予測誤差の深層学習による未知外乱の推定および③実時間予測のためのシステム開発である。 当該年度はこの目的を達成するために、次の項目に関して取り組んだ。 (1)逐次データ同化によるモデルパラメータ推定法の構築:数学モデルのパラメータを推定する方法として、逐次データ同化と最適化手法を組み合わせた方法を新しく提案した。一般的に、数学モデルのパラメータは、拘束模型船試験を行うことによって推定されるが、この方法では数多くの実験を実施しなければならないという欠点がある。そこで、逐次データ同化と最適化法を組み合わせた方法に制約条件を考慮する新しい方法を提案した。この方法では、制約条件が考慮できることから、物理的に不合理な値を推定することを防ぐことができるという非常に大きな利点がある。この方法を用いて数学モデルのパラメータを自由航走模型船試験のデータから推定することを試みた。提案した方法の妥当性は、数値実験および模型船実験のデータを用いて確認した。また、推定結果の信頼性を高める方法として、データを分割して、それらを同一の状態として扱う方法も導入した。 (2)データ同化を行うためのデータ取得方法の検討:昨年度の検討で、滑走型高速船のデータ取得に関しては、使用した実験システムでは船速の計測精度が十分ではないということが明らかになったことから、今年度は画像解析を用いた船速計測の方法を導入した。今年度はこのシステムの信頼性の検証を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症の影響で、打ち合わせの機会を設けることが出来ず、十分な意見交換を行うことが出来なかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
予測を実現するためのツールは概ね準備できたことから、今年度は模型船実験を重点的に実施しデータ同化に必要なデータを取得する。その後、予測計算を実施し、課題の抽出を行う予定である。具体的には次の内容を実施する。 (1)小型高速船の船体運動予測数学モデルの検証:昨年度構築したプロペラ-舵一体型推進器の数学モデルについて、更なる検証を行う。片山が提案した規則波向波中における数学モデルに関して更なる検証を行う。 (2)模型船実験:昨年度の経験を踏まえ、再度、模型船実験を行い、ヴァリデーション用のデータを取得する。 (3)深層学習に関する計算機プログラムの精度向上:昨年度構築した外乱を深層学習に基づいてモデルする計算機プログラムの精度を向上させる。
|
Research Products
(2 results)