2022 Fiscal Year Annual Research Report
大規模データ時代のネットワーク最適化に対する実応用に向けた説明力のある手法開発
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20H02382
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
繁野 麻衣子 筑波大学, システム情報系, 教授 (40272687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八森 正泰 筑波大学, システム情報系, 准教授 (00344862)
安東 弘泰 東北大学, 材料科学高等研究所, 教授 (20553770)
佐野 良夫 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20650261)
高野 祐一 筑波大学, システム情報系, 准教授 (40602959)
吉瀬 章子 筑波大学, システム情報系, 教授 (50234472)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 最適化 / アルゴリズム / ネットワーク / 大規模データ |
Outline of Annual Research Achievements |
最適化問題に対して,その問題構造を利用して実応用を意識したモデル構築とアルゴリズム作成をおこなった. 光通信ネットワークの資源割当問題に対しては,波長分割多重ネットワーク上での耐故障性を考慮して複数パスに情報を流す3つのモデルの比較をおこなった.その結果,パスごとにモジュール数を固定しないほうが効率的であるが,計算時間が莫大となり,ネットワーク構造で分けて解いても最適解を得ることが難しいことを示した.また,空間分割多重ネットワークの資源配分問題に対しては,最適化問題としてモデル化するときのスロットの扱いの違いによる求解のしやすさを比較し,大規模な問題に対応できるように,問題を分割して解く方法を提案してその結果も比較した.この結果は,今後,順次通信情報が得られるときの効率的な通信方法の策定につながると期待される. スポーツスケジューリングの枠組みでは,公平性を考慮した対戦表作成方法を提案した.対戦表作成は,冗長なパターンが含まれていることに着目し,これを避けるために問題を細かく分けて解く手法を提案した.また,初期解の与え方を工夫することで,結果的に公平指標であるcarry over effect値の良い値が得られることも示した.対戦表作成は,組み合わせ的な特性が強く,提案手法は他の組み合わせ最適化問題にも展開できると期待される. 大規模データ解析に対する手法としては,実店舗の需要予測をおこなった.時系列の関係のみでなく,天候や立地など様々な要因を直接的に影響するものと間接的に影響するものに分け,その関係をネットワークで表すことで予測精度向上を実現した.加えて,生産工程における異常品検出のための機械学習手法の検討もおこなった. また,利用直前に情報が変更される相乗り問題に対する利用者目線のモデル作成,移植の適用可能性を検討したポピュラーマッチングの構造解析などもおこなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光通信ネットワーク,スケジューリング,需要予測など様々な状況で説得力のあるモデル構築と手法開発を進めており,個別の問題に対しては,当初予定していた問題を解くアルゴリズムは開発できている.しかし,より大規模な問題を解くための手法開発は課題として残っている.
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Strategy for Future Research Activity |
光通信ネットワークの耐故障モデルが,直前に入力情報が変更される可能性がある最適化問題に応用できるなど,これまでに蓄積した個別の問題に対する解法の関連性にも着目して,実応用にむけた手法開発をおこなう.スケジューリング問題ではより大規模な問題への対応と,柔軟性がある解の導出,入力情報が一部のみの場合に対応した場合などの応用を想定して手法を開発する.さらに,大規模データとして,引き続き需要予測やスマートフォン利用データの分析において,要因の関係性をネットワークで表現することで精度向上を目指す.
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