2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new technology to identify the explosives and chemical weapons used in terrorist attacks.
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20H02399
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
今坂 智子 九州大学, 芸術工学研究院, 講師 (90193721)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | テロ安全対策 / レーザーイオン化 / 質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の「今後の研究の推進方策」で述べたように、2つの波長で同時に、あるいは片方を遅延してイオン化できる装置を開発した。これを用いて、以下の研究を行った。
1.飛行時間型質量分析計の開発・・・高感度、小型、高分解能、低価格、高信頼性、利便性に優れたフェムト秒レーザーイオン化質量分析計を開発した。レーザーの繰返し速度を大きくしたときに質量スペクトルが重ならないように、イオンの飛行時間をできるだけ短くするためリペラー電極に5 kV(MHVコネクターの最大電圧)まで印加できるようにした。 2.オンサイト・リアルタイム計測技術の開発・・・オンサイト・リアルタイム計測の一例として、アセトンの分析について検討した。フェムト秒Ybレーザーの第四高調波(247 nm)、第五高調波(206 nm)、及びその組み合わせ(247 + 206 nm)を用いる方法について検討し、分子イオンが増強できる分析条件を探索し、検出感度を求めた。 3.テロ実施者の特定のための計測技術の開発・・・試料に含まれる多数の化合物を正確に測定するためガスクロマトグラフと組み合わせた。フェムト秒Ybレーザーの第三高調波(343 nm)、第四高調波(257 nm)、第五高調波(206 nm)、及びこれらを組み合わせてニトロ芳香族化合物を測定する方法について検討した。その結果、第三高調波と第四高調波を組み合わせると共鳴イオン化となり、かつ余剰エネルギーが最小化できることがわかった。また、検出限界は通常の電子イオン化質量分析計の場合より数桁低いことが確かめられた。2つの光パルスの時間遅延を変化させるポンプ-プローブ法によりフェムト秒時間スケールの励起寿命を測定できた。またディーゼル排ガスから採取した微粒子に含まれるニトロ芳香族化合物を網羅的に測定できることも示した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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