2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of failure mechanisms of natural slopes formed from crushable volcanic soils and development of risk assessment system
Project/Area Number |
20H02404
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
川村 志麻 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (90258707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中津川 誠 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (10344425)
松村 聡 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 主任研究官 (20748305)
廣瀬 亘 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 産業技術環境研究本部 エネルギー・環境・地質研究所, 研究主査 (30446364)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 火山灰質土 / 斜面崩壊 / 風化 / 粒子破砕 / 気候変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国は,国土の約40%が火山性の砕屑岩や火山灰質土で覆われている。これらを構成する斜面・地盤では,近年,地震や地球温暖化に起因する豪雨などの自然外力の増大によって,また風化に起因した構成土粒子の粒子破砕などの力学的劣化によって,土砂災害が頻発している。本研究では,はじめに①斜面崩壊に影響をもたらす火山灰質土の粒子破砕量(細粒分量,変質量)の程度を把握し,それが斜面の安定性にどのように影響を及ぼしているのか(現在の危険度評価)を,また②自然外力としての地震,降雨,凍結・融解,融雪などの自然外力履歴がどのような形で複合的に斜面崩壊に影響を及ぼしているか(現在までの自然外力の評価)を調査し,これらの結果に基づいて,③今後予想される自然外力のシナリオに対する斜面の安定性の評価法ならびに土砂災害のリスク評価法(将来の危険度予測)を提案することを目的とする。 令和3年度は, (1)土壌水分計,間隙水圧計,気温,地温計を設置した日高幌内川流域にある自然斜面において,昨年度と同様,気象の変化に伴う斜面内挙動の変動を把握した。また,土粒子の風化の状況や土壌水分特性からその力学特性に及ぼす影響を評価した(現在までの自然外力の評価)。さらに,先行降雨が地震時の安定性に影響を及ぼしたかどうかを検証し,当時の崩壊に与えた影響度(寄与度)について地盤工学的に考察した。 (2)当該地域にある土粒子(樽前降下火砕堆積物)の粒子破砕特性を明らかにし,粒子破砕のモデルを構築した(現在の危険度評価)。 (3)気候変動予測データをもとに,当該地域の将来気象予測データを整理した。また,当該地域における土砂流出量の推算,および気候の不確実性を考慮した斜面災害発生リスクの推定法を検討した(将来の危険度予測)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地計測が計画通りに進み,当該斜面の気象の変化に伴う斜面内挙動の変動を把握できた。また,粒子破砕のモデル化に関する力学情報を室内要素試験から収集した。加えて,気候変動による影響評価およびそれを考慮した解析手法の確立ついて,一連の研究成果を蓄積・発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
進捗状況もおおむね順調であることから,当初の計画書に沿って研究を進める予定である。
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Research Products
(7 results)