2021 Fiscal Year Annual Research Report
間隙水圧の多地点観測による堤防決壊リスクの見える化技術の確立
Project/Area Number |
20H02405
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
川尻 峻三 北見工業大学, 工学部, 准教授 (80621680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 聡 北海道大学, 工学研究院, 教授 (70470127)
中村 大 北見工業大学, 工学部, 准教授 (90301978)
川口 貴之 北見工業大学, 工学部, 教授 (20310964)
小泉 圭吾 大阪大学, 工学研究科, 助教 (10362667)
渡邊 康玄 北見工業大学, 工学部, 教授 (00344424)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 河川堤防 / 超小型間隙水圧計 / LPWA / パイピング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の2年目となる2021年度は,まず2020年度に実施した屋外実大試験堤防の湛水実験での超小型間隙水圧計の性能評価試験から得られた課題の解決を試みた.具体的には実大試験堤防実験では,開発した超小型間隙水圧計での計測値が土圧の影響を受けていると予想されたため,土圧の影響を軽減するためのフィルターメッシュを間隙水圧計の受圧面に取り付けた改良版の超小型間隙水圧計を作製した.室内における簡易土層実験では,土圧の影響が限りなく小さく,設定した水位を間隙水圧として計測できることを確認した.次にこの改良版超小型間隙水圧計を北海道常呂川の実河川堤防にプロトタイプとして複数台設置した.これによって積雪寒冷環境下での実証実験を行った.その結果,積雪寒冷環境では電池の消費量が想定よりも大きいことが判明し,観測期間内に観測が停止した.この結果から,本成果を社会実装する場合にはソーラーパネルを設置するなどの対応が必要であるという課題が明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目の成果をもとに土圧の影響を軽減した改良版の超小型間隙水圧計を新たに作製した.この改良版超小型間隙水圧計を2年目に当初予定したように実堤防へプロトタイプとして設置し,実際の自然環境での性能評価試験を実施した.このため,おおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
積雪寒冷環境ではバッテリ容量が想定以上に必要なことが判明した.この点を改良できる方法について次年度は検討を進める.また,適切な間隙水圧計の設置位置について,浸透流解析のみでは判断が困難であることが判明したため,次年度は初年度よりも長時間の湛水が可能な実大試験堤防実験を実施し,間隙水圧挙動の多地点観測を試みる.
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Research Products
(7 results)