2020 Fiscal Year Annual Research Report
THz Remote Sensor of Molecules in Fire
Project/Area Number |
20H02406
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
田邉 匡生 芝浦工業大学, デザイン工学部, 教授 (10333840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西脇 智哉 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60400529)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | テラヘルツ / ガス検知 / リモートセンシング |
Outline of Annual Research Achievements |
建物火災の死因別死者の37.8 %は一酸化炭素中毒・窒息によるもので、火災時の有毒ガス検知器として現在「検知管式ガス測定器」を用いている。1本の検知管が測定できるガスは1種類であり、新たなガスセンサとして、複数種類の有毒ガスを識別でき、かつ火炎や煙に近づかなくとも、遠隔で検出できる有毒ガス検知器の開発が待望されている。 初年度として、テラヘルツ分光により、火災時の迅速な救出・救助、消火に必要である有害ガスと引火性液体の識別・検出できる新たなセンシングシステムの基盤を構築した。計測系の要素技術として、高速に動作するテラヘルツデバイスに導波路を機能を付与し、0.1秒以下のダイナミックな動作速度を確認した。導波路構造の熱的安定性も確認している。テラヘルツ分光センサとしての使用を議論をするため、火災模擬環境について、火災時に有毒ガスを発生する建築材料として、コンクリートや建築仕上材の種類と発生するガスと発生温度を研究分担者の西脇氏とともに検討し、それらのガスをチャンバーに導入するラインや回収容器に適切なガスバリアフィルムを選定した。ガスチャンバーには有毒ガスの導入ラインや液体サンプルホルダーの設置ができるようにした。ガス漏れがないようにするだけでなく、遠隔操作を可能とするものとして、操作の安全性を高めている。さらに、研究協力者の渡邉氏と実験の安全だけでなく、現状の火災模擬環境について、濃煙の粒子サイズをはじめ構成内容を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ダイナミックなテラヘルツセンシングに必要なデバイスを構築し、その動作を確認するだけでなく、有害ガスを安全に取り扱うためのチャンバーの設置とそのチャンバーにガスを導入するラインを構築も完了しており、予定通りに研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
ガスの検出、液体の識別を実証していく。センシングシステムにおけるテラヘルツ光源・検出の安定化を図ることで、5桁のダイナミックレンジを実現する。さらに、計測に使用するテラヘルツ周波数の最適化により、高感度測定を実現する。濃煙下での計測をめざして、計測系の条件探索を検討していく。
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Research Products
(5 results)