2023 Fiscal Year Annual Research Report
マクロ孔内自己充填による欠陥フリー・ナノ多孔質セラミックスの創製と有機物膜分離
Project/Area Number |
20H02431
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 義和 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (40357281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 浩也 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (50346136)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 多孔体 / アルミナ / 有機物膜分離 / 限外ろ過 / 阻止率 / フィルター |
Outline of Annual Research Achievements |
1-10 nm程度の分子や超微粒子を対象とするナノろ過膜(NF膜)や10-100 nm程度の高分子・微粒子・ウィルス等を対象とする限外ろ過膜(UF膜)が、国内セラミックスメーカーを中心に開発されている。ナノろ過膜には多結晶チタニア膜が用いられており、高分子膜と比べれば耐久性は高いものの、耐熱性・耐食性の点で大いに改善が必要である。また、限外ろ過膜には多結晶アルミナ膜が用いられている。Al2O3膜はTiO2膜よりもバランスの良い特性を示し、機械的強度や耐熱性、耐食性が向上すれば、セラミックス分離膜の用途が格段に拡大されることが期待されている。しかし、細孔直径、2-50 nm程度のちょうどメソ孔に相当するサイズの多孔質セラミックス膜をマクロ欠陥なしに大面積成膜することは非常に困難であり、多孔質セラミックスプロセッシングにおけるメソポーラスギャップとなっていた。本研究は、このメソポーラスギャップを克服すべく、大面積・欠陥フリーナノ多孔質セラミックスを創製し、有機物の高効率膜分離への適用を目指すものである。 令和5年度は、「大面積・欠陥フリーナノ多孔質セラミックス膜での有機物膜分離の実証」を重点的に実施し、水溶性タンパク質の分離・濃縮が可能なオールAl2O3セラミックス膜の開発を行った。(T. Tanuma and Y. Suzuki, J. Ceram. Soc. Jpn., 131, 340-342 (2023).)具体的には、支持層、中間層、ろ過層の3層のAl2O3膜の精密構造制御を行い、モデルタンパク質の牛血清アルブミン(BSA、分子量66,000)の分離・濃縮に成功し、91.9%もの高い阻止率を得ることに成功した。本研究を通して、オールAl2O3セラミックスフィルターが、精密濾過膜としてだけではなく、タンパク質向けの限外濾過膜としても機能することが示された。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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