2022 Fiscal Year Annual Research Report
銅ー硫黄四面体ネットワークの局所構造制御による高性能熱電物質の開発
Project/Area Number |
20H02440
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
末國 晃一郎 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (10582926)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 熱電材料 / 熱電物性 / 銅硫化物 / 熱伝導率 / 出力因子 / 熱電変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、銅-硫黄四面体ネットワーク構造を有する物質を対象として、その局所構造が熱電物性に与える影響を調べると共に、得られた知見を基に高性能な熱電物質の創製を目指すものである。今年度の研究実績の概要を以下に示す。 (1)前年度の研究で、コルーサイトCu26T2M3Sb3S32(T=V,Nb,Ta; M=Ge,Sn)において、T=Vの系でT=Nb,Taの系に比べてゼーベック係数が高く、また、M=Geの系でM=Snの系に比べて電気抵抗率が低い、すなわちT=V,M=Geの組み合わせで出力因子が高まることを実験的に明らかにした。今年度、研究協力者の支援のもとで結晶構造を詳細に調べたところ、T=Vで特徴的に短い原子間距離(Cu-Tと一部のCu-S)の存在が明らかになった。しかし、その局所構造と熱電物性の相関を明らかにするには至らなかった。その後、他の研究協力者による第一原理電子状態計算から、電気伝導に寄与する価電子帯上端の電子構造が、T=VではT=Nb,Taとはやや異なり、それがゼーベック係数を高めた可能性が示唆されたので、局所構造変化が電子構造に与える影響について検討した。 (2)前年度に研究を行ったCu3.1Ti0.25Sn0.9S4に対して、熱電物性に対する硫黄Sの欠損効果を調べた。硫黄Sを欠損させるとホールキャリア濃度が低下し、その結果、ZTは673Kで0.6に達した。また、硫黄Sの欠損は室温近傍での格子熱伝導率を抑制することが分かった。 (3)前年度に見出した新規化合物Cu7VSnS8に対して、VをTiで置換することにより電気抵抗率を低減させ、673 KでのZTを0.7まで高めた。この化合物が示す低い格子熱伝導率(673 Kで0.5WK-1m-1)と結晶構造の関係について考察を行った。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)