2020 Fiscal Year Annual Research Report
Chemical etching of semiconductors assisted by graphene derivatives towords nano- and micro- fabrication.
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20H02450
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宇都宮 徹 京都大学, 工学研究科, 助教 (70734979)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 酸化グラフェン / シリコン |
Outline of Annual Research Achievements |
グラフェンやその誘導体は優れた電気伝導特性や電気化学特性を持つ2次元材料であり,多くの応用が期待されている.本研究では酸化グラフェン(Graphene Oxide: GO)が持つ触媒活性を半導体のウェットエッチング技術に活用することで,半導体プロセスの発展に寄与することを目的にしている.我々はシリコンウェハにGOシートを担持した試料をエッチング液に浸漬すると,GO被覆部分がより深くエッチングされること(GOアシストエッチング)を発見した.特に本課題ではGOの反応活性解明と半導体表面への構造形成に焦点を当てている.令和2年度の研究では以下の点において成果を得た. 1. GOシート被覆シリコンをエッチングする時に用いてきたエッチング液組成をフッ酸と硝酸をベースにした組成に最適化することで1 μm程度までの溝・穴形成が可能になった.表面からのレーザー顕微鏡観察や断面の走査電子顕微鏡観察によって,試料表面全体におけるエッチング状況の詳細が評価可能になった. 2. 真空紫外光照射を用いたGOシートの光パターニング技術とアシストエッチングを組み合わせることでシリコン表面にマイクロサイズ幅を持つ溝形成が可能になった.また,断面観察結果からアシストエッチング進行に伴うサイドエッチングも明らかになったことから,アスペクト比向上に向けた継続した取り組みが必要である. 3. 反応進行中の温度やGOシートの欠陥量によるエッチング反応速度への影響を明らかにした.その結果,GOシート面内の欠陥サイトへの硝酸イオン吸着がエッチング反応進行を支配していることが明らかになった.各種GOシートの赤外吸収分光,ラマン分光や走査プローブ顕微鏡などによる微細構造解析を進めることで,反応活性の分子レベルの起源が明らかになる可能性がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エッチング液組成を変更することで,GOアシストエッチングによるマイクロスケールの溝形成実現の目処をつけた.また,走査電子顕微鏡観察による試料断面の測定ノウハウを蓄積できたので,アスペクト比定量評価にも期待を持てる状況になった.各種GOシートの走査プローブ顕微鏡などによる構造・特性評価も並行して進めており,既にエッチング反応過程へのフィードバックも進みつつある.よって,研究進捗としては概ね順調と言える.
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度に得られた結果を元に,走査電子顕微鏡によるエッチング試料の断面観察・評価をさらに進める.また,これまでの断面観察でGOシート非被覆部におけるシリコンのポーラス化進行が明らかになっている.金属微粒子アシストエッチングでも同様な現象は報告されていることから,ポーラス化の抑制もしくはその活用に向けての展開を検討する. さらに,シリコンウェハ上への新たなGOシート担持方法として,マイクロコンタクトプリンティングを試みる.これまではウェハ表面に分散液をスピンコートすることで担持したGOシートをトップダウン的なパターニング手法によりマイクロメートル幅に成形することで溝・孔形成に活用してきた.新たなシート担持手法と比較・検討を行うことで,さらなるパターンエッチング展開を図る.
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Research Products
(7 results)