2021 Fiscal Year Annual Research Report
世界最長ボトルブラシポリマーの基礎物性解明と革新的材料開発への応用
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20H02454
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
山内 祥弘 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 独立研究者 (60709343)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ボトルブラシポリマー |
Outline of Annual Research Achievements |
ボトルブラシポリマーは主鎖と側鎖の2種類の高分子から構成され、両者を独立に制御可能な超巨大分子である。側鎖間の排除体積効果により、ボトルブラシポリマーは半剛直性のシリンダー形状をとる。とりわけ、イオン性の側鎖を有するボトルブラシポリマーは水中において、側鎖の重合度が増加するにつれて、側鎖間の排除体積効果が大きくなり、主鎖の運動に大きな制限が加わるため、より規定された構造をとると予測される。高分子合成化学的に、側鎖の繰り返し単位を算出し、直径を推定することは可能であるが、溶液中において、実際にボトルブラシポリマーの直径がどの程度かを実験的に算出するには小角X線散乱もしくは中性子散乱に準ずる解析が必要である。本年度は、直径の異なるイオン性ボトルブラシポリマーを精密合成し (イオン性側鎖の重合度DP= 32, 70, 74, 84, 96, 101, 104, 123)、放射光施設(SPring-8および JRR-3)にて、ボトルブラシポリマーの水分散液(0.1wt%)の散乱測定を遂行した。小角X線散乱および中性子散乱の両データを比較したところ、中性子散乱による測定において、イオン性ボトルブラシポリマーの直径の増加がI-qプロットの傾きへ系統的に反映され、本系の解析により適していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年間利用回数に制限のある放射光実験に間に合うよう、サンプルを計画通りに準備することができ、ボトルブラシポリマーの液中構造解析に適した条件を見出したため。
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Strategy for Future Research Activity |
ボトルブラシポリマーの精密合成の適用範囲を拡大するべく、リビング性の高いノルボルネンモノマーを探索すると同時に、ボトルブラシポリマーの溶液中における精密構造解析と秩序構造の形成について研究を継続する。
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Research Products
(2 results)