2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study of biocompatible implant TiNbSn alloy
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20H02458
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
正橋 直哉 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20312639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 優 東北大学, 大学病院, 講師 (70634541)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インプラント / 生体親和性 / 陽極酸化 / TiNbSn / 光触媒 / 耐摩耗性 / 抗菌性 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は, 細胞毒性の低い元素から構成され,低ヤング率・高強度を備えたTiNbSn合金を開発した.生体内ではトライボコロージョンにより金属イオンや摩耗粉が放出され,生体への悪影響が指摘されている.そこで,TiNbSn合金に陽極酸化を施しトライボコロージョン特性を調査した.プラズマ溶解したTiNbSn合金(Ti-22.0 at. % Nb-2.1 at. % Sn)を1423 K_24 h /1223 K_2 hにて真空中で熱処理後に, スウェージング加工, 溝ロール圧延を施して厚さ1 mmの板材を作製した. これを25 mm角の板に切り出し, 酒石酸Na水溶液にH2O2を添加した電解浴中にて電流密度50 mA/cm2で1, 5, 10, 30分間の陽極酸化を施した.組織観察と表面分析を行った後,開回路電位(OCP)を計測しながらfretting条件で往復摺動摩擦摩耗試験を行い, 摩擦係数(COF)を測定した. 【結果】トライボコロージョン試験の結果,未処理材のCOFは初期に最大値を示した後に低下し約0.38に近づくのに対し, 陽極酸化材は徐々に増加し摩耗試験終了後は0.35~0.38を示し,fretting摩耗における酸化膜のCOFへの影響は摩耗初期に効果的であることが判る.一方,OCPは未処理材ならびに1, 5分陽極酸化材は摩耗開始と共にOCPが低下し終了と共に増加するが, 10, 30分陽極酸化材ではOCP変化は検出されない.摩耗試験開始時のOCPと摩耗試験中のOCPの差(ΔE)は陽極酸化時間の増加とともに減少し,10, 30分陽極酸化材ではほぼゼロに等しい.1,5,10分間陽極酸化材では基板が露出し,露出面積は陽極酸化時間とともに減少していることから, 摩耗試験中のΔEは基材の露出面積に支配され,トライボコロージョン特性は10分以上の陽極酸化材で優れていると結論できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
理由 (1)本申請の主目的の一つである、TiNbSn合金への生体親和の付与をいち早く確認できたことで、関連する実験や考察を深彫りできたこと。 (2)これまでの研究や予備実験を基に構築した陽極酸化セットアップ装置により、高性能を期待する所望の条件(高圧印加)での陽極酸化成膜実験を実施できたこと。 (3)実験計画を綿密に策定して系統的に研究を進めたため、予想に反する結果が出ても、予め考えていた対処法で対応し、無駄な作業を行わずに進めることができたこと。 (4)研究分担者(東北大学医学研究科)との共同研究が4年目を迎え、先方が分担する抗菌試験のノウハウが確立し、効率的な実験を実施できたこと。 (5)厚生労働省に薬事申請をしていた人工股関節ステム用の低ヤング率TiNbSn合金(本申請の対象材料)が、2021年6月に承認を受け、グループの研究が飛躍的に推進できたこと。
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Strategy for Future Research Activity |
陽極酸化によるインプラント機能の高機能化はすでに実証しており、今後は陽極酸化条件の最適化条件を見つける研究を推進する予定である。具体的には、陽極酸化時の電気化学条件である、トライボコロージョン特性に及ぼす陽極酸化電圧と電流密度の影響を明らかにし、高いインプラント機能を有する成膜条件を確立する。トライボコロージョンにおける腐食挙動は、別途行っている分極測定と、トライボコロージョン試験の開回路電位(OCP)から明らかにする。一方、摩擦摩耗による機械的損傷は動摩擦係数COF変化から明らかにし、双方の結果と、組織の観察および表面分析を通して評価する。その際には、陽極酸化を施していない材料との比較、あるいは基板をTiNbSn合金ではなく純Tiを使用した時との比較などを通して、前者では陽極酸化膜の有意性を、後者ではTiNbSn合金の有意性をそれぞれ解明する。また、現在使用されている人工股関節素材Ti6Al4Vについても同様の比較実験を行い、陽極酸化TiNbSnの高いインプラント機能の実証を行う。
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[Journal Article] b-type TiNbSn Alloy Plates With Low Young Modulus Accelerates Osteosynthesis in Rabbit Tibiae2022
Author(s)
K. Ito, Y. Mori, M. Kamimura, M. Koguchi, H. Kurishima, T. Koyama, N. Mori, N. Masahashi, S. Hanada, E. Itoi, T. Aizawa
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Journal Title
Clinical Orthopaedics and Related Research
Volume: 480
Pages: 1817-1832
DOI
Peer Reviewed
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