2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Biodegradable Adhesive Sheets with Anti-cancer Drug-releaseing Property
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20H02470
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
田口 哲志 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, グループリーダー (70354264)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 組織接着シート |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までにスケトウダラ由来ゼラチン(ApGltn)のアミノ基に炭素鎖長10のデシル基を修飾した疎水化ApGltn(C10-ApGltn)を合成し、得られたC10-ApGltnを用いてエレクトロスピニング法により調製したファイバーシートがブタ胸膜に対して優れた耐圧強度を示すことが明らかとなった。本年度は、得られたファイバーシートと抗がん剤あるいは酸化鉄ナノ粒子を複合化後のシートの機能について検討を行った。ファイバーシートに抗がん剤であるドキソルビシンを複合化すると、ドキソルビシン特有の茶褐色の着色がシートに認められ、分子レベルで複合化されていることが示唆された。また、生理的環境におけるドキソルビシンの徐放性をUV/Visにより定量的に評価した結果、ファイバーシートから少なくとも5時間に渡り徐放することが明らかとなった。一方、がん温熱療法への展開を目指し、ファイバーシートと酸化鉄ナノ粒子の複合化についても検討した。エレクトロスピニング法を用いてC10-ApGltnと磁場環境により発熱効果を示す酸化鉄ナノ粒子を複合化したシートが得られる調製条件を検討した。電子顕微鏡によりファイバー構造を観察すると、酸化鉄ナノ粒子を複合化したファイバーシート中の繊維の1本1本に均一に酸化鉄ナノ粒子が複合化されていることが明らかとなった。得られたファイバーシートの磁場環境による発熱効果を評価した結果、一定磁場環境における昇温効果は酸化鉄ナノ粒子のシート中の含量依存的に上昇し、がん細胞を特異的に殺傷することのできる45℃以上に制御できることが明らかとなった。ファイバーシートは磁場照射後においてもファイバー構造を維持していることが確認できたことから、生体内におけるがん殺傷後においても接着が維持され、適用部の治癒に伴って分解・吸収されることが示唆された。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(31 results)