2020 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ材料塗布プロセスにおけるミクロ動的濡れ特性の高精度計測と推算モデル構築
Project/Area Number |
20H02498
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
庄司 衛太 東北大学, 工学研究科, 助教 (20780430)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 動的濡れ / ナノ材料 / 塗布 / エリプソメータ |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノ粒子が高濃度に分散したナノフルイドや高分子ナノコンポジット材料などのナノ材料の作製プロセス,特に塗布・成膜プロセスの高度化に資するために,本研究ではナノマイクロスケールの二次元膜厚分布の動的測定技術および液膜内ナノ粒子分布のin situ観察技術を併用し,ナノ材料の塗布プロセスのおける動的濡れについてミクロな視点から明らかにする。 本年度は,まず二次元膜厚分布の動的測定技術としてナノスケールを対象とした位相シフトエリプソメータの改良を実施した。具体的には,新たな位相シフトエリプソメータのアルゴリズムを導出するとともに,偏光カメラを導入することでフレームレート75 fpsで測定が実施できるようになった。本位相シフトエリプソメータを用い,シリコンウェハ上にナノフルイド液滴を滴下し,基板上液滴の接触線近傍を観察した。ナノフルイドの溶媒にはn-オクタン,n-デカン,n-ドデカン,ナノ粒子には超臨界水熱合成法で合成したデカン酸修飾セリアナノ粒子(粒径はおよそ6 nm)を用い,ナノ粒子濃度は0.07 wt%から0.2 wt%の範囲とした。測定の結果,現在の撮像速度で現象は十分に捉えられ,またナノスケール膜厚を有する液膜のみならず,溶媒に伴い基板上に堆積するナノ粒子層を観測可能であることを示した。一方,溶媒の蒸発が強い条件では,液滴のシリコンウェハへの濡れ性が悪くなり,位相シフトエリプソメータでは測定できない条件も明らかとなった。そこで,測定可能な膜厚領域を広げるため,位相シフトエリプソメータと併用できる形でマイクロスケールの膜厚測定が可能な反射干渉顕微鏡を開発した。結果,基板上ナノフルイド液滴の接触半径,接触角,溶媒蒸発後の堆積ナノ粒子層の測定が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
位相シフトエリプソメータの改良を実施でき,さらに測定膜厚領域を広げる反射干渉顕微鏡を開発することで,基板上ナノフルイド液膜の動的挙動の観察を進めることができた。また,当初は液膜挙動のみを対象としていたが,位相シフトエリプソメータを用いることで溶媒蒸発後のナノ粒子層の膜厚分布を測定できることが示された。さらに,液膜内ナノ粒子分布のin situ観察用の全反射型暗視野顕微鏡の光学設計も並行して進めており,光学系の大枠は構築できたため,進捗は十分と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度実施したナノフルイド系のミクロ動的濡れの観測について,溶媒種,ナノ粒子種,ナノ粒子濃度,温度等の条件を変えた実験を進める。さらに,全反射型暗視野顕微鏡の構築を進め,液膜内ナノ粒子分布のin situ観察の確立を目指す。
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