2020 Fiscal Year Annual Research Report
拡張融解金属錯体法によるナノ粒子合成法の開発と3D人工格子への展開
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20H02499
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
冨樫 貴成 山形大学, 理学部, 准教授 (80510122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名嘉 節 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主席研究員 (30344089)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ナノ粒子 / 無溶媒合成 / 精密サイズ制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、有機無機ハイブリッドナノ粒子は新たな原料として認識され始め、その需要がいっそう高まっている。その要求に応えるためには多彩なナノ粒子を自在かつ省労力・低コストで自在に合成する技術が必須となる。本研究では、自身が開発した融解する金属錯体を反応場として利用した無溶媒ナノ粒子合成法により低コスト化・精密かつ自在なサイズ制御を可能とする合成コンセプトの確立および広範囲の金属・金属酸化物ナノ粒子合成法へと発展・拡張を目的としている。 今年度は、金属銀ナノ粒子のサイズ制御を試みた。アルキルアミン融合シュウ酸銀錯体の熱分解により約7nmの単分散ナノ粒子を合成した。次に、銀ナノ粒子存在下で前駆体であるシュウ酸銀の添加により錯体形成・熱分解・銀ナノ粒子の結晶成長が段階的に進行し、添加したシュウ酸銀から生成する全ての銀原子が結晶成長により消費され存在していた銀ナノ結晶の粒子径が増大することを証明した。この操作を、逐次的に繰り返すことでこと連続的に結晶成長・結晶育成が可能となった。また、さらに、シュウ酸銀分解量と粒径の関係を数式化し、それを元にした粒径制御を行なった結果、精度1nm以下で所望の粒径を有するナノ粒子の合成までを達成した。その収量は前駆体重量の最大約30%を達成し大量合成も同時に達成可能となった。次に、得られたナノ粒子をLB法により集積することで銀ナノ粒子フィルムを作成しプラズモン波長の制御を試みた結果、構成される銀ナノ粒子の粒径に伴う波長シフトによりプラズモンバンドを制御することにも成功している。以上、本年度の研究成果より精密サイズ制御・大量合成を両立する合成コンセプトの基礎を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に基本的な合成コンセプトが確立され、徐々に合成ライブラリの拡大へと研究をシフトできつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
金属ナノ粒子以外、金属酸化物など他の材質においても本合成コンセプトを利用した大量合成・精密サイズ制御の確立を実証する。
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Research Products
(7 results)