2020 Fiscal Year Annual Research Report
International R&D of innovative measurement and purification technology that accelerate the development of fine bubble science
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20H02508
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
寺坂 宏一 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (00245606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤岡 沙都子 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 講師 (50571361)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ウルトラファインバブル / ファインバブル / 超純水 / レーザー追跡式粒子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高純度のウルトラファインバブルのサンプルを調製し、ウルトラファインバブルの生成と安定な存在状態を計測および分析を行い、ウルトラファインバブルの生成・安定メカニズムを実験的に解明する。そこで完全に隔離された完全密閉型のウルトラファインバブル発生器を使用し、高純度ガスと超純水を原料にウルトラファインバブルの生成と安定性を調べた。さらに所定の濃度の第3成分添加による生成UFB数濃度の変化を調べた。 (1)ウルトラファインバブルとナノ固体粒子との分別 レーザー粒子追跡法ナノ粒子解析システム(PTA法)を用い、ウルトラファインバブルとともにナノ固体粒子をモデルコンタミとして混入したサンプルを計測した。浮遊粒子毎の粒径分布だけでなく散乱強度分布の測定を行ったところ、ガスは散乱強度が小さく、固体は散乱強度が大きいことを見出した。これによってバブルとコンタミとを判定できることが示唆できた。 (2)スーパークリーンウルトラファインバブル生成 一切の異物が混入しないように十分注意して、超純水と純空気をPP製容器に封入して密閉した。この容器を細胞破砕機を転用した高速振とう装置で高速振とうし気液混合した。この操作によるウルトラファインバブル生成をPTA法で確認した。ウルトラファインバブル数濃度が振とう時間や振とう周波数の増加とともに増加した。また人為的にジルコニアビーズを異物として添加して同様の実験を行い、ウルトラファインバブル数濃度を計測したところ大きなウルトラファインバブル数濃度の増加は見られなかった。この結果よりウルトラファインバブル生成には必ずしもコンタミが必要であるとは言えないことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)ウルトラファインバブルとナノ固体粒子との分別 計画した通り、レーザー粒子追跡法ナノ粒子解析システムを用いて、所定のウルトラファインバブルサンプル水の計測が進んでいる。 (2)スーパークリーンウルトラファインバブル生成 計画した通り、完全密閉容器を用いた回分式ウルトラファインバブル発生器の開発が完了し、実験データを順調に取得した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は計画通り、界面前進緩慢凍結法によるウルトラファインバブルの分離に着手する。ウルトラファインバブルは水がゆっくりと凍結する際に排除され、泡を含まない純粋な氷相と、泡が集積された水相とに分離されていく。氷相形成によるウルトラファインバブルの排除効率を向上させるために、界面前進緩慢凍結法によるウルトラファインバブル高度分離試験装置を製作する予定である。 また、水相蒸発によるウルトラファインバブル濃縮の研究にも取り組む。現在市販のウルトラファインバブル製造装置で製造できる純水中のウルトラファインバブルの最大数密度は10億個/mL程度である。そこで水相のみをエバポレータで減圧蒸発させてウルトラファインバブルの数密度濃縮を行う技術を確立し、できれば連続製造法を実現したい。
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Research Products
(8 results)