2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of metallic coating technique onto 3D-printed polymer for fabrication of Terahertz wireless communication devices
Project/Area Number |
20H02511
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
百瀬 健 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (10611163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 邦昭 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (60543072)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 超臨界流体薄膜堆積法 / 金属コーティング / テラヘルツ波 / 導波管 / 3Dプリンタ |
Outline of Annual Research Achievements |
3Dプリンタによりポリマー3次元構造体を形成し,表面を金属薄膜により被覆することにより,従来の金属切削加工では成しえなかった微細かつ複雑な構造を形成し,テラヘルツ波デバイスとして使用することを目指している。そのためこれまでに,伝搬損失を定量的に導出できる物理モデルを構築し,本モデルに基づき,銅が最適膜材料であること,ならびに必要膜厚は膜のバルク比抵抗に依存し変化するが100-300nm程度であることを見出してきた。これまでは,平坦シリコン基板上にスパッタリングにより薄膜を形成し,伝搬損失の原理追及を行ってきたが,今年度は低抵抗な銅薄膜を3Dプリンタにより作製した複雑な3次元構造を有するテラヘルツ波デバイス内に均一に形成する技術を検討した。具体的には,優れた段差被覆性を持つ超臨界流体薄膜堆積法(SCFD)を検討した。本技術は超臨界二酸化炭素内において,有機金属化合物原料を還元し,薄膜を得る手法であり,シリコン基板表面に形成されたナノトレンチに対してアスペクト比が100を超える構造であっても均一な膜形成が報告されている。本手法の段差被覆性向上のカギは原料濃度を高めることにあり,それは原料の超臨界流体中への飽和溶解度を向上させることに等しい。そのため,原料の溶解度調査に基づき高濃度原料供給を可能にする反応器を設計,作製し,高アスペクト比構造への銅薄膜の均一形成を実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に沿い,超臨界流体を用いた製膜に関する検討を進め,高アスペクト比構造への製膜が実現できており,順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに構築した伝搬損失モデルより,銅薄膜の比抵抗が低いことが伝搬損失の抑制には重要であることが分かっている。超臨界流体薄膜堆積法により形成した銅薄膜には不純物が残留しており,結果としてバルク比抵抗の倍程度の値にとどまっている。今年度は低抵抗銅薄膜の形成プロセスを構築する。また,均一に製膜可能なアスペクト比のさらなる増大を検討する。
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