2020 Fiscal Year Annual Research Report
クロススリット型マイクロ乳化プロセス技術の基盤研究
Project/Area Number |
20H02512
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
西迫 貴志 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (10431983)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マイクロプロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
マイクロ流路の分岐構造を用いた液滴生成(乳化)法は,様々な新奇機能性材料を研究室にて創出している.しかし単一流路の極めて低い生産性と,既存の集積化マイクロ流路の複雑さ・取扱い辛さのため,本手法は生産技術として幅広く利用されるには到っていない.一方申請者は近年,マイクロ流路アレイとスリット状流路を貼り合せた単純なクロススリット構造により,液滴の生産量を容易にスケールアップし得ることを見出した.そこで本研究では A. 3次元流体解析,B. 微細加工,C. 液滴・粒子生成試験,を組合せて実施し,上記クロススリット構造における液滴生成機構を明らかにし,本プロセスを単分散液滴および粒子の生産技術として展開するための研究基盤を確立する.上記を踏まえ,2020年度は以下を実施した. A. 流体解析:クロススリット構造製作への反映を目的とし,流量分配の様子を可視化するため,3次元流体解析ソフトウェアをスタンドアロンPCで動作させ,少数流路(1-32本)の解析を実施した.スリットと流路のサイズ比を幅広く変化させ,流量分配に与える影響を評価した. B. デバイス作製:3次元流体解析による流量分配予測をもとに,スリット部品と組み合わせるPDMS製の溝アレイチップを作製した.フォトリソグラフィをネガ型フォトレジストSU-8に適用して鋳型を作製し,幅と深さが25-100umの溝を数cm角のPDMSチップ上に一列に配置し,溝形状・サイズのばらつきを電子顕微鏡と触針式表面形状測定機により評価した.一方,100-500um幅のスリットを有するステンレス製部品をワイヤ放電加工にて作製した. C. 液滴生成試験:分散相として純水,連続相としてオレイン酸をモデル材料としてシリンジポンプにより送液し,クロススリット構造において直径のCV値が5%以下の単分散W/O液滴が生成する様子を顕微鏡と高速度ビデオカメラを用いて確認・記録した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナ禍の影響が懸念されたが,幸い大きな影響は無く,おおむね順調に進展させることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に沿って進めていく.
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Research Products
(1 results)