2020 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis of all C4 and C5 monools and diols
Project/Area Number |
20H02519
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中川 善直 東北大学, 工学研究科, 准教授 (10436545)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | バイオマス / 触媒・化学プロセス / 還元 |
Outline of Annual Research Achievements |
ジオールの水素化分解触媒開発を重点的に実施した。 1,3-ブタンジオールの水素化分解関連では、これまでに開発した低表面積チタニアを担体にしたイリジウム触媒を発展させ、ルテニウム、ロジウムでも貴金属微粒子をチタニア表面を覆うように生成させることに成功した。この貴金属触媒と、溶液中から第2金属を吸着させる手法で選択性の制御を行い、第一周期遷移金属、特に鉄を吸着させることで2-ブタノール選択率が高まることを見いだした。また、この効果は共担持触媒では十分に発揮されず、表面修飾が重要であることがわかった。 より困難な1,2-ジオールからの1級OH基除去反応では、1,2-プロパンジオールをモデル基質、同様にチタニア担持触媒を用いた検討を開始し、ルテニウムと第一周期遷移金属の組み合わせの中から有望となる組み合わせが複数予備的な結果として得られた。ポリオールの1,2位ジオールを除去する脱酸素脱水反応の触媒開発として、これまで国内外で開発されてきたレニウム系以外の触媒系として、モリブデン系固体触媒の開発を行い、チタニア担体への担持で確かに脱酸素脱水反応が進行することを見いだした。レニウム系では結晶性セリア担体がこれまで唯一有効な担体で、かつレニウム構造制御が難しかったためにさらなる選択性向上が難しくなっていたが、新たな固体触媒系を見いだしたことで、担体の構造制御等によりさらに選択性向上を目指す。 加えて、1,2-ジオールから一段で1-モノオールのエーテルを形成するパラジウム-タングステンチタニア触媒について完成させ論文を発表した。また、イリジウム-レニウム系をポリオールに適用し、エリスリトールから一度に2カ所のOH基を除去して1,4-ブタンジオールを得る反応も最適化し論文を発表した。さらに、1,2-ジオールから2級OH基を除去するPt-W触媒について構造解析を行い論文を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象としている3つの反応のうち、ジオールからの2級ヒドロキシル基除去は構造解析が進み、触媒改良の指針が立ちつつある。ジオールからの1級ヒドロキシル基除去は有望な触媒系が見つかりつつある。ジオールのヒドロキシル基同時除去である脱酸素脱水反応についても既存のもの以外の触媒が見つかり今後の発展が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画に沿っての進行でほぼ問題ないと考えられる。新たな触媒が見つかった脱酸素脱水反応については、本課題以外の基質にも拡張することで研究を発展させたい。
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