2020 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanical modulation of transcription with intermediate filament
Project/Area Number |
20H02533
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
中村 史 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 客員教授 (40357661)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 裕 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10312240)
山岸 彩奈 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (00778293)
長崎 晃 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (30392640)
竹下 大二郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (80613265)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 中間径フィラメント / 転写因子 / ネスチン / 転写制御 / メカノバイオロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ネスチンテール領域の伸展に伴う転写因子の放出と、これに続くシグナル伝達経路の抑制を立証することを目的とする。中間径フィラメントによる転写因子の捕縛、機械的刺激による転写因子の放出、このような一連の転写制御機構が存在することを証明する。 2020年の研究では、原子間力顕微鏡を用いてネスチンテール領域とアクチン繊維の結合破断力を測定し、直接結合を証明することを目的とした。カンチレバーに対してネスチンテールを修飾するため、IgG固定化バイオナノカプセルを用いて抗GFP IgGを修飾し、これを経由してGFP融合ネスチンテール領域を固定化した。ネスチンテールは、全長を四分割したうちの最もN末端側に位置するQ1領域と、最もC末端側に位置するQ4領域を使用した。基板上のアクチン繊維とネスチンテール領域固定化カンチレバーを接触させ、得られたフォースカーブから、アクチン繊維とQ1もしくはQ4領域の結合破断力を解析した。いずれの場合も繰り返し結合破断力を測定することが可能であり、抗体の脱離や、アクチン繊維の基板からの剥離はないものと推察される。Q4領域を修飾したカンチレバーとアクチン繊維の結合破断力は、Q1領域の結合破断力と比較して2倍程度大きいことが確認された。このことから、ネスチンはテール領域のC末端側にアクチン結合部位を持つことで、自身が伸展し細胞運動などの機械的なストレスによる結合破断を緩和する機能をもつことが推察された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ネスチンテール領域はC末端側でアクチンと直接結合することを明らかにした。これにより同領域は大きく伸展し得る構造をとると考えており、テール領域に捕縛された転写関連因子が同領域の伸展により解離する機構の存在が示唆された。
|
Strategy for Future Research Activity |
ネスチンテール領域の全長を修飾したカンチレバーと基板上のアクチンを相互作用させて引き離すことで、ネスチンテールがアクチンと結合し弱い力で大きく伸展することを明らかにする。
|