2021 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of a synthetic complex microbial system for chemical production
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20H02544
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
花井 泰三 九州大学, 農学研究院, 教授 (60283397)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 合成生物学 / 人工遺伝子回路 / 合成代謝経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖化・溶菌株とイソプロパノール生産株を用いて、セロビオースからイソプロパノールを生産することには成功しているので、さらに生産が難しいと考えられるリコピン生産を目指して、リコピン生産合成代謝経路をluxシステムを用いて発現させる人工遺伝子回路の構築を試みた。 基本的にluxシステムは、ポジティブフィードバックループを形成しているため、一度、遺伝子発現が始まると、遺伝子発現は非常に高いレベルに至るまで増加することとなる。一方、リコペン生産に必要な酵素はその発現量が必要以上に大きくなりすぎると細胞増殖に阻害的に働く可能性があると考えられる。そこで、luxシステムのpluxlacOプロモータ下流に配置したluxI遺伝子のさらに下流に、lacI遺伝子を導入し、pluxlacOプロモータが活性化するとluxI遺伝子によるポジティブフィードバックループが形成されるのと同時に、lacIによるネガティブフィードバックループも形成される様な回路を考案した。この人工遺伝子回路では、ポジティブフィードバックループとネガティブフィードバックループが相互作用することで、IPTG濃度に応じて、遺伝子の発現レベルが一定レベルに制御可能であると考えらた。この設計に基づいて人工遺伝子回路を設計し、レポーターとしてGFPの遺伝子を導入したところ、IPTG濃度に応じて、最終的なGFPの発現レベルを調整できることが、明らかとなった。 また、リコピン生産合成代謝経路を、上流、下流の二つの代謝経路に分割し、一方をIPTG、もう一方をaTcで誘導可能なプロモータで遺伝子発現制御するようなシステムを構築した。IPTG濃度、aTc濃度、誘導剤添加タイミングで、細胞増殖、生産量にどうのような影響があるかを調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
糖化・溶菌株とイソプロパノール生産株を用いて、セロビオースからイソプロパノールを生産することにはすで成功し、さらに次年度に予定されているリコペン生産合成代謝経路の構築およびその代謝経路発現システムの改良にある程度の道筋をつけられたため、当初の計画以上に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
lacIによるネガティブフィードバック導入luxシステムにより、遺伝子の発現レベルはコントロール可能となったが、遺伝子発現タイミングがlacI未導入株と比較して早くなった。本来であれば、ネガティブフィードバックループにより発現タイミングが遅くなるはずであるが、実際には逆の結果となってしまった。原因を調べたところ、同じプラスミド上に配置したpLtetOIプロモータ下流にあるluxRの発現が、lacI未導入株より大きくなっていることが明らかとなった。luxRはluxIから生産されるAHLと複合体を形成し、pluxlacOプロモータを活性化するため、luxRの増加により、発現タイミングが早くなったと予想された。lacIを導入することで、なぜ、luxRの遺伝子発現レベルが上昇したのかは説明できなかったが、今後は、予想したタイミングで遺伝子発現が起こるように、人工遺伝子回路を改良することを計画している。
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