2020 Fiscal Year Annual Research Report
Hetero-interfacial synthesis of porous molecular nanosheets towards separation membrane
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20H02551
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
牧浦 理恵 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30457436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幸塚 広光 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (80178219)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ナノシート / ナノ材料 / 表面・界面 / 多孔性材料 / metal-organic framework / MOF |
Outline of Annual Research Achievements |
高選択性・高透過性を併せ持つ分離膜の開発は、物質の分離・精製操作が必須とされる環境、エネルギー、化学工業において強く望まれている。本研究においては、究極の分離性能実現のための理想的な膜、すなわち規則ナノ細孔を有する極薄ナノシートを開発する。そのために、液相界面における特異反応場を利用して結晶性ナノシートの作製に成功してきた申請者の実績にもとづき、気相と液相(気液)などの異種相における界面反応により、構造設計性に富む有機分子をボトムアップ式に二次元に連結させ、狙いのナノ細孔構造を有する分子ナノシートを創出する。 当該年度は、以下を実施した。 【1.界面法に適用可能な液相・ゲル相・分子の検討】液相にはこれまでにナノシート作製の実績のある水を用いた。さらに、界面法に適した金属イオンを含むゲルを調整した。気体とゲルの界面を用いた金属錯体ナノシートの作製は前例がなく、これまでの気水界面で用いた分子と金属イオンの組み合わせが適用できるか検討した。 【2.その場測定によるナノシート形成過程の解明】界面におけるその場X線回折(XRD)測定を行い、ナノシート形成過程を把握した。極薄膜の評価に有効な放射光施設での実験を行った。さらに、ナノシートのモルフォロジの変化に関して、液面上では申請者が所有するBrewstar angle microscopy(BAM)、固体基板上では所属機関の共有装置である原子間力顕微鏡(AFM)を用いて観察した。 【3.ナノシート形成状態に影響を与える条件因子の抽出】溶液濃度、粘度、温度、pH、分子展開量、分子展開後の待ち時間を系統的に変化させ、これらがナノシートの形成状態、特に厚さ、面積、結晶化度に与える影響を調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに前例のない気体とゲルの界面を用いた金属錯体ナノシートの合成に成功した点、ゲルの粘度がナノシートの結晶子サイズに影響を与えることを明らかにした点は計画通りであり、順調に研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、気水界面、気ゲル界面の両方に関して、さらに系統的に溶液濃度、粘度、温度、pH、分子展開量、分子展開後の待ち時間などの条件因子を変化させ、これらがナノシートの形成状態、特に厚さ、面積、結晶化度に与える影響に関して詳細に調査する。 応用展開に向け、得られたナノシートに関して、有効な細孔径の把握及耐熱性、耐水性の評価を行う。
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Research Products
(10 results)