2020 Fiscal Year Annual Research Report
Control of the nano-interface of heterojunction quantum dot solar cells and improvement of the charge separation efficiency for multiple excitons
Project/Area Number |
20H02565
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
沈 青 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (50282926)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早瀬 修二 電気通信大学, i-パワードエネルギー・システム研究センター, 特任教授 (80336099)
豊田 太郎 電気通信大学, その他部局等, 名誉教授 (40217576)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 量子ドット / 太陽電池 / 界面制御 / 光励起キャリアダイナミクス / 多重励起子 / ホットキャリア |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)量子ドット(QDs)太陽電池のデバイス構造として、光吸収層と正孔輸送層にPbS QDs、電子輸送層にはZnOナノワイヤー(ZnO NWs: ZnO Nanowires)を用いた。ZnO NWsの表面にZnMgOとEDTのパッシベーションを施した。これらのパッシベーションによって、ZnO NWs表面の吸着酸素に起因するトラップ準位密度を抑制できたことがわかった。また、太陽電池の光電変換効率は著しく向上した。これは、トラップ準位密度を抑制による電荷再結合確率の減少と電荷分離効率の増大による影響であると示唆された。 (2)鉛と錫を混晶させたCsSnxPb1-xBr3 QDを作製し、その光吸収やフォトルミネッセンス(PL)などの光物性と光励起キャリアダイナミクスの変化およびそのメカニズムについて検討した。CsSnxPb1-xBr3 QDの錫の量(X)を増やすことでQD内のひずみの大きさが小さくなることが、CsPbBr3QDやCsSnBr3QDよりも相安定向上につながることが判明した。また錫の量を増やすことでUrbachエネルギーの増加やPLQYの低下が見られた。これは、QD内部に生じるひずみによるものでもなく、Snが2価から4価になることによって生じる欠陥でないことがわかった。このことからSn固有の格子欠陥の可能性が示唆された。 (3)量子ドットの表面欠陥を低減させることは量子ドット太陽電池の高効率化を実現するための鍵である。今年度では、量子ドット膜におけるパッシベーションを行い、その光電変換性能を著しく向上させたことに成功した。固体リガンド交換法(SSE)で形成したPbS量子ドット膜に対して、ハロゲン化メチルMAClを用いて表面パッシベーションを行った。その結果、MAClパッシベーションにより、光電変換効率が著しく向上し、12.4%に達成した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画したとおりで、各種量子ドットの作製、量子ドッド太陽電池の各界面に対して制御とパッシベーションを行い、量子ドット太陽電池の変換効率を12.4%以上向上することに成功した。この結果はPbS量子ドット太陽電池分野で、世界トップレベルである。また、量子ドット(溶液中と各種基板に吸着したもの)と量子ドット太陽電池における光励起キャリアダイナミクスを系統的に評価し、今後量子ドット太陽電池の高効率化のための基礎データが得られた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、引き続き、量子ドッド太陽電池の各界面に対して制御とパッシベーションを行い、量子ドット太陽電池の変換効率のさらなる向上を図る。同時に、量子ドット太陽電池における光励起キャリアダイナミクスを評価し、量子ドット間での電荷移動や各界面での電荷分離効率を検討し、多重励起子型太陽電池の実現のための道筋を探索する。
|
Research Products
(21 results)