2021 Fiscal Year Annual Research Report
Exploration of physics of two-dimensional superstructures
Project/Area Number |
20H02566
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北浦 良 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (50394903)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 二次元結晶 / 結晶成長 / 超構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究のかなめとなるMOCVD装置の整備を引き続き行った。本研究で用いているのは、縦型コールドウォールタイプのMOCVD装置であり、予備的検討からナノメートルスケールの極微細2次元構造が実現できることがわかっていた。前年度に実施したロードロックチャンバーの設置、プレッシャーレギュレーターの設置、自動化ソフトウエアの導入、酸素濃度計の導入、などである。これらに加えて、再現性の向上を目的として、配管の洗浄とヒーターの設置による原料の凝縮の防止、さらには逆流の防止を目的としたトラップの設置なども合わせておこなった。これらを終えていくつか試料を作製したところ、ある条件下では接合幅が1原子という究極の接合構造を作製することができた。さらに、接合構造の発光分光を進めたところ、空間的に分離した一次元励起子と思われるピークを観測することに成功した。特徴的なのは、寿命が通常の励起子よりも一桁程度長いことであり、これは接合部において電子と正孔が空間的に分離していることに由来するものと考えられる。発光の起源を調べるために励起スペクトルを測定したところ、ほぼ母体となる原子層半導体の吸収ピークと一致するものが得られたことから、通常の励起子ができてから一次元界面に到達したものが先述の空間的に分離した一次元励起子へと変化することがわかった。次年度以降は、光学特性のさらなる調査に加えて、電子物性の開拓も合わせて進めていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定通りの改造に加えて再現性向上を目指した改良も施し、当初期待していた以上に完成度の高いシステムとなった。さらに、当初は想像していなかった1原子幅の接合構造を実現することにも成功した。加えて、接合構造に特徴的な新たな励起状態を光学スペクトルの測定を通して見出すことにも成功した。以上から、「当初の計画以上に進展していると判断した」。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、完成したシステムを最大限に活用しさまざまな超構造へと展開するとともに、光物性に加えて電子物性探索も進めていく。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Versatile Post-Doping toward Two-Dimensional Semiconductors2021
Author(s)
Yuya Murai, Shaochun Zhang, Takato Hotta, Zheng Liu, Takahiko Endo, Hiroshi Shimizu, Yasumitsu Miyata, Toshifumi Irisawa, Yanlin Gao, Mina Maruyama, Susumu Okada, Hiroyuki Mogi, Tomohiro Sato, Shoji Yoshida, Hidemi Shigekawa, Takashi Taniguchi, Kenji Watanabe, Ruben CantonVitoria, Ryo Kitaura
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Journal Title
ACS Nano
Volume: 15
Pages: 19225-19232
DOI
Peer Reviewed
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