2021 Fiscal Year Annual Research Report
金属担持有機構造体を基盤としたカスケード型CO2還元系の開発
Project/Area Number |
20H02568
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
神谷 和秀 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (50716016)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | CO2電解還元 / COF / 単原子触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
再生可能エネルギー由来の電力を用いたCO2の電解還元は、常温・常圧下で進行することからクリーンかつグリーンなフィードストック製造法として活発に研究されている。しかし、CO2電解(CO2RR)の生成物は一酸化炭素(CO)やエチレンなどのガス状小分子に限られているのが現状である。エネルギー密度が高く可搬性に優れている液体生成物を高速・高選択的に生成することができれば、本技術の大きな発展につながる。そのような背景のもと、本課題では、複数の単核金属活性中心サイトをハイブリッドすることで、COを介したカスケード反応によってワンポッドで液体生成物の合成を目指す。 今年度は金属中心が担持された共有結合性トリアジン構造体のCO2電解還元反応の選択性を第一原理計算から明らかにすることを目指した。COの前駆体である*COOHおよびHCOOHの前駆体である*OCOHの吸着強度を比較したところ、NiやCoなどの単原子中心では*COOHがSnにおいては*OCOHが安定であることが明らかになった。これはそれぞれの反応選択性の実験結果とよく一致する。さらに、あらわな溶媒分子を考慮する、第一原理分子動力学法の立ち上げにも成功し、今後さらなる反応メカニズムの詳細に迫る。 さらにCO2電解還元反応を高速に進めることができる電極を開発した。具体的には金属銅フォームに酸化スズをコーティングした材料をガス拡散電極とハイブリッドすることで、1 A/cm2を超えるギ酸の生成電流密度を得ることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
単原子触媒でのガス状CO2の高速電解の選択性が、反応中間体の吸着エネルギーに依存していることが計算と実験のハイブリッドにより明らかになった。さらに、その金属種を変えることで、生成物の制御が実現していることから。
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Strategy for Future Research Activity |
計算化学に関しては溶媒を考慮した反応メカニズム解析を行う。 実験に関しては金属中心などの分子レベルの構造だけでなく、電極構造などのマクロスケールでの設計を導入することで、さらなる高活性化を目指す。
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Research Products
(23 results)