2023 Fiscal Year Annual Research Report
Dynamical Theory for Heterogeneous Catalysts using Multi-scale Quantum Simulations
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20H02569
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森川 良忠 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (80358184)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | DFT / 機械学習 / 原子間力ポテンシャル / Cu / H / 分子動力学法 / 吸着 |
Outline of Annual Research Achievements |
不均一触媒の固体や微粒子表面上では、反応物や反応中間体、生成物が吸着し、さらに、有限温度下での反応であるため、構造や化学的性質が常に変化している。本研究課題では、この問題に対し、大規模第一原理電子状態計算手法とマルチ・スケール・シミュレーション手法を駆使して、真正面から答える事を目的とする。 令和四年度はCO分子がCu表面上に吸着することによりCuクラスターが形成される過程について、第一原理電子状態計算と機械学習ポテンシャルを組み合わせてシミュレーションすることに成功した。令和五年度は引き続きこのCuクラスター形成過程の反応機構を解明し、結果をまとめて論文として出版した。 今年度はこのCOクラスターの水性ガスシフト反応への影響を調べるために、Cu表面上での水素および、水の吸着および解離反応に対する機械学習ポテンシャルの構築を行い、良い精度の機械学習ポテンシャルの作成に成功した。水素吸着に関しては、水素のCu(111), Cu(100), およびCu(110)表面上への解離吸着確率の動的シミュレーションを行った。その結果、初期の解離吸着は(111) > (100)>(110)の順になり、これは実験で報告されている初期吸着確率と一致した。一方、水素の吸着量が増えてくると状況は変わり、全く逆転してしまうことがわかった。これは、吸着水素原子1個あたり2個のCu原子と直接相互作用することになり、1個あたり不活性化するCu原子の数が異なるためであることが明らかとなった。さらに、Cu(100)表面では吸着水素によって表面再構成が起こる過程のシミュレーションにも成功した。 以上のように触媒表面での吸着子や有限温度の効果による触媒反応の影響により反応性が大きく変わることをシミュレーションから明らかにすることに成功し、これは、複雑な不均一触媒の解明に大きな一歩を踏み出したと言える。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(18 results)