2020 Fiscal Year Annual Research Report
ON/OFF switching of photoluminescence from perovskite quantum dots
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20H02570
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
木田 徹也 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (70363421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深港 豪 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (80380583)
猪股 雄介 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 助教 (40824024)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 量子ドット / フォトクロミック分子 / 蛍光 / 消光 / エネルギー移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
量子ドット(QD)と呼ばれる半導体ナノ結晶は高い紫外-可視変換効率を有し、そのバンドギャップに応じて多色に発光する。これを基本材料とし、フォトクロミック(PC)分子と組み合わせ、光スイッチング材料を開発する。本研究では、紫外・可視光照射によって誘起されるPC分子(ジアリールエテン(DAE))の光吸収特性の変化を利用して、量子ドットの蛍光をスイッチする。材料の表面構造、粒子-分子間相互作用、エネルギー移動などを多角的に解析するとともに、単一分子分光法を用いて、量子ドット-フォトクロミック分子ハイブリッドにおける蛍光ON/OFF挙動のメカニズムを明らかにする。以上の基礎検討をもって本技術の原理を確立・実証し、様々な用途が可能な次世代光材料を創出する。 本年度は、新しい量子ドット材料であるCsPbX3 (X = Cl, Br, I)に着目し、ジアリールエテン(DAE)と組み合わせて蛍光の消光挙動について調べた。種々のQDとDAEとの複合体を合成し、スイッチング特性、蛍光強度変化、FRET半径を詳細に調べた。可逆的な蛍光ON/OFFを行うためには耐久性に優れたQDが必要であるため、まずQDの耐久性の改善を試みた。これまでにQDと金属アルコキシドを混合することで、簡便に酸化物(MO)コートCsPbX3が合成できることを見出しているが、被膜条件を更に最適化することによって、QDをより緻密に酸化物で被膜することに成功した。次にDAEにカルボキシ基を取り付けた化合物を合成し、それをQDと複合化させたところ、この誘導体はCsPbX3量子ドットの表面に強く結合し、紫外線照射によって生成したDAEの閉環体に対して効率的なエネルギー移動を誘起することがわかった。今後は、蛍光寿命測定や過渡吸収スペクトル測定によってエネルギー移動機構の解明を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
耐久性に優れる量子ドットを合成することができ、発光効率を損なうことなく官能基を取り付けたフォトクロミック分子と複合化できることを明らかにした。基本材料の合成ルートを確立することができたため、今後順調な計画の実行が見込める。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の基本方針としては、多色に発光する量子ドットを合成し、その耐久性を向上させるとともに、量子ドットの発光波長に適合する吸収帯を有する各種フォトクロミック分子を合成する。さらに、量子ドット表面に効率的かつ確実に有機分子を接続する手法を確立し、得られたハイブリッド材料におけるエネルギー移動およびキャリア移動機構を各種分光法により解析し、本研究が目的とする光スイッチの開発を達成する。
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Research Products
(10 results)