2022 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of technique for supersaturation control in liquid cell transmission electron microscopy and its application to protein crystallization
Project/Area Number |
20H02580
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山崎 智也 北海道大学, 低温科学研究所, 特任助教 (50735032)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 透過型電子顕微鏡 / タンパク質 / 結晶化 / 溶液セル / 誘電泳動 / 試料冷却TEMホルダー / 氷 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は溶液セルを用いた透過型電子顕微鏡法(TEM)において、溶液試料の過飽和度を制御する手法を開発し、溶液からの結晶化を捉え、その描像を明らかにすることを目指す。特にこの手法をタンパク質の結晶化系に応用することを目指す。 2021年度は、電極間のギャップを数マイクロメートル以下にした溶液セルを作製し、そのギャップ間にコロイド粒子やタンパク質分子を集めることに成功した。また、より精密な過飽和度制御に期待できるペルチェ式の試料冷却TEMホルダーを用いることを検討した。これを用いることで室温からマイナス数十度までの範囲で試料を冷却でき、幅広い物質に用いることができる。 2022年度は数マイクロメートルのギャップを持つ電極を搭載した溶液セルを用いて、TEMでタンパク質分子を集める実験、及び、試料冷却TEMホルダーと溶液セルを組み合わせた手法の開発を行った。前者では、光学顕微鏡下ではタンパク質分子を粒子を集めることができるにもかかわらず、TEM中では集まらないといった現象を確認し、その要因と解決策を考察した。この要因として、1.使用したTEM試料ホルダーが交流電場の印加を想定していないため、クロストークにより電圧が減衰する、2.電子ビームによる試料ダメージ、が考えられる。解決策として、1に関しては、さらに電極間ギャップを狭くした溶液セルや同軸ケーブルを内蔵したホルダーの開発が挙げられる。2に関しては、低電子線量イメージングや試料ダメージの軽減(ラジカル捕捉剤の利用)が必要である。 一方、窒化ケイ素薄膜を用いた溶液セルを試料冷却TEMホルダーで用いることができるようにすることで、このホルダーと溶液セルを組み合わせてTEM観察ができるようになった。この手法を水を試料で用いて冷却実験を行い、氷Ihの観察に成功した。本手法は冷却による過飽和度の操作が可能なタンパク質の結晶化に応用できる。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)