2020 Fiscal Year Annual Research Report
Three dimensional thermal imaging in vivo for thermobiology
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20H02586
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
亀井 保博 基礎生物学研究所, 生物機能解析センター, 特任准教授 (70372563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野中 茂紀 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, 生命創成探究センター, 准教授 (90435529)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 熱ショック応答 / HSF / 赤外レーザー / イメージング / 温度計測 / 単一細胞 / biothermology / 分子進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
生命科学で扱いが曖昧な物理量として「温度(熱)」がある。この温度が具体的に生命にとってどういうものであるかを理解するために、細胞内での熱の振舞いををイメージングによって捉えることで理解を進めたい。つまり、細胞内にある生体物質の熱伝導率を知ることが必要となる。そこで、本研究では赤外レーザーを用いて細胞内局所の加熱を行い、その摂動による熱拡散をイメージング技術で捕捉する。ところが、熱拡散は速いため、イメージングにも高速性が要求される。高速性が利点であるライトシート顕微鏡技術を応用し、さらに、蛍光タンパク質を利用した温度計測技術と融合させた新規の高速温度イメージング顕微鏡を構築して目標を達成する。 本年度は、蛍光タンパク質による温度計測プローブと高速レシオメトリック温度計測顕微鏡光学系の構築をおこない、温度摂動を加えるための赤外レーザー光学系を合わせた顕微鏡の基本部分を構築した。 また、温度計測プローブを発現する培養細胞系統の樹立も完了した。すでに報告されているgTEMP(Nakano et al 2017)から改良を加えた蛍光タンパク質を研究協力者永井教授(大阪大学)から頂き、培養細胞(Neuro2A系統)に導入し、安定発現株を樹立している。本株に赤外照射を行い、本件導入カメラによる撮影を行い、高速撮影が可能であることを確認した。一方で予算が少なめであったため、制御用PCに関して導入ができなかった。従って高速画像取得と演算の部分は達成できていない。その為リアルタイムでの計測は行えないが、取得後計算による解析を行う方法を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の本年度目標はおおむね達成した。(ただし、PC購入が予算的に難しくなったため、その部分は達成できていない)
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Strategy for Future Research Activity |
本年度構築した顕微鏡光学系によるin vivo(まずは培養細胞)での局所加熱時の温度計測実験を実施する。さらに、熱伝導率が既知の複数材料による熱伝導の様子をイメージングし、熱動態解析に着手する。同時に、生体物質の熱伝導率解析のために必要な試料として、メダカおよびシロイヌナズナにおける蛍光タンパク質温度プローブの発現系統(形質転換体)の作製にも取り掛かる。
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Research Products
(5 results)