2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Point of Care Testing for Infectious Diseases Based on DNA Walkers with Precisely Designed Nanoparticles
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20H02589
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大石 基 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (90419242)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 金ナノ粒子 / ナノ界面 / DNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度(令和2年度)は、「DNAウォーカーに最適な界面構造を有する DNA/PEG(ポリエチレングリコール)化金ナノ粒子の調製」を行った。 具体的にはナノ粒子の界面構造と標的核酸を触媒とした DNA 鎖交換反応を介した DNAウォーキング機構(同じ粒子界面のみを歩く)の相関を明らかにするため、様々な界面構造を有する(電荷密度およびヘアピン DNAの固定化本数が異なる)DNA/PEG 化金ナノ粒子を「ナノ界面構築法」により調製した。金ナノ粒子(粒径:40 nm)の表面に固定化するPEGは片末端にチオール基(SH基:金ナノ粒子結合部位)およびもう方末端には 4級アミノ基(プラス電荷:-N+Me)またはメトキシ基(非電荷:-OMe)を有するものを用いた。一方、固定化するヘアピン型 DNA(H1および H2)の塩基配列は本研究代表者が過去の研究で最適化したものを使用し、H1およびH2ともに末端にはSH基および蛍光色素(フルオレセイン)の両方を導入したものを用いた(依頼合成により調達)。本研究代表者が確立した「ナノ界面構築法」により、4級アミノ基(プラス電荷)およびメトキシ基(非電荷)を有するPEGの混合比を変えることで、界面の電荷密度が異なるDNA/PEG化金ナノ粒子(H1とH2の固定化本数は一定:各50本/粒子)を調製することに成功した。また、同様に4級アミノ基(プラス電荷)を有するPEGのみを用いて、H1とH2の添加量を変化させることで、DNAの固定化本数が異なるDNA/PEG化金ナノ粒子(電荷密度は一定)を調製した。これら調製したDNA/PEG化金ナノ粒子の評価は、現有装置である紫外可視分光光度計、動的光散乱装置などにより行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度(令和2年度)の研究計画は、「DNAウォーカーに最適な界面構造を有する DNA/PEG(ポリエチレングリコール)化金ナノ粒子の調製」であり、その計画どおり研究が進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の計画どおり、これまでの成果を基盤として「界面構造の影響とDNAウォーキングの評価」、「緩衝溶液中からの標的核酸の検出」、「リアルサンプルからの標的核酸の検出」を行う予定である。また、これら検討を踏まえ構造・条件・機能の相関を明らかとし、ナノ界面設計に基づいた同じ粒子の界面を高速で歩くDNAウォーカーを構築し、感染症由来の核酸を迅速かつ高感度に検出できる「その場」システムのプラットフォームを構築する予定である。
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Research Products
(1 results)