2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the rate limiting process of the gate-induced phase transition and the speed limit of the phase transition transistor
Project/Area Number |
20H02615
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
矢嶋 赳彬 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (10644346)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 相転移 / 過渡特性 / ドメイン成長 / 集団性 |
Outline of Annual Research Achievements |
VO2チャネル3端子素子の微細化と高速化を目標とした研究を行っている。昨年度までの研究で、この3端子素子の定量的なモデル構築を行い、また微細化の影響を明らかにすることに成功した。今年度はこのデバイスを用いて、ゲート電圧に対するVO2相転移の過渡特性を測定し、高速化の限界を明らかにすることを目的として実験を行った。 本デバイスにステップ関数状のゲート電圧を印可したところ、チャネル電流がミリ秒の時間スケールで連続的に上昇していくようするが観察された。このVO2相転移の過渡特性を、ゲート電圧の大きさを変えながら測定したところ、ゲート電圧の大きさに対して指数関数的に相転移が高速化し、ゲート電圧を1-5Vまで変化させるだけで、転移速度は3桁近く高速化した。これはゲート電圧が相転移に与える影響が微弱であることを考えると、異常な現象だといえる。 転移の高速化を、相転移の熱障壁の低減によるものだと考え、その大きさを実験結果から計算すると、熱障壁の変化量はVO2格子1つに対する値としては異常に大きなものとなり、数千個のVO2格子の集団に対する値と解釈しなければ物理的につじつまが合わないことが分かった。つまり、転移の指数関数的な高速化は、VO2の転移の集団性によってその効果が増幅されたためだといえる。さらに昨年度の、過渡特性の律速過程が核成長プロセスであることを考えると、この集団性は核成長における集団性であることが分かった。 さらにこの集団性について裏付けをとるため、過渡特性の際のVO2チャネルの光学顕微鏡像の動画を同時測定した。その結果、数百nm程度のまとまりをもって転移している様子を確認することにも成功した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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