2021 Fiscal Year Annual Research Report
Design and development of structural-anisotropic three-dimensional phononic crystal toward low thermal conductivity material
Project/Area Number |
20H02621
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
石河 泰明 青山学院大学, 理工学部, 准教授 (70581130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上沼 睦典 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (20549092)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 熱伝導率 / ナノ構造 / ZnO / 薄膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
3次元周期的ナノ構造を作製するために必要なネガ型レジストSU-8によるテンプレート作製において、その作製面積の大型化が課題であった。本年の研究により、面内分布が良好な領域を、1㎝×1㎝へ拡大させることに成功した。素子面積の拡大は、測定の再現性を向上させるため、次年度は、2㎝×2㎝程度への拡大を目指す。 3ω法による膜厚方向の熱伝導率測定について、データのばらつきが多いことから、パーツの組み換えとプログラムの修正を行った。ZnOナノ構造に対しての検証に先立ち、ガラスおよびサファイヤ基板に対して熱伝導率測定を行った。ガラス基板では1.02 W/mK、サファイヤ基板では36.7 W/mKと、文献値に近い値が再現性よく計測できる環境に改修できたことを確認した。続いて、3次元周期的ナノ構造を有したZnO薄膜をガラス基板上に作製して、3ω法による熱伝導率測定を試みたところ、5 W/mKと、低い熱伝導率が計測された。結晶化されたバルク体ZnOの熱伝導率は25 W/mK程度であるので、今回導入したナノ構造体により1/5程度の低減が期待できる結果となった。ただし、本試料は、ガラス基板上に作製したZnOナノ構造体のため、ガラス基板の熱伝導の影響を受けている可能性がある。今後、ZnOナノ構造体による熱伝導率低減への寄与について更に検討していく。 ナノ構造作製において、導入するZnO前駆体の溶液濃度によってもナノ構造サイズが制御できることが分かった。周期的サイズを制御するフェーズシフトマスクの設計だけでなく、これら前駆体濃度の制御を行い、本研究の目的である構造サイズ異方性が熱伝導率に与える影響を更に精査していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3ω法による膜厚方向の熱伝導率測定を実施できる環境構築が完了し、実際にナノ構造体を導入したZnO薄膜の膜厚方向の熱伝導率測定を実現した。ナノ構造のサイズ制御として、より簡便に実現可能な前駆体溶液による手法の確立ができた。 最終年度に向けた検討において懸念されていた課題は、本年度の検討で解決できている。
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Strategy for Future Research Activity |
フェーズシスとマスクの設計は完了しており、本年度はその設計したフェーズシフトマスクの作製およびそれによるナノ構造の形成を進める。更に、ナノ構造が形成されたZnO薄膜の膜厚方向・面内方向の熱物性について、ナノ構造サイズを変えた時の影響を検討していく。
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