2020 Fiscal Year Annual Research Report
High-quality hetero-epitaxial AlN research by newly proposed high temperature metalorganic vapor phase epitaxy
Project/Area Number |
20H02643
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
沈 旭強 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 総括研究主幹 (50272381)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児島 一聡 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究チーム長 (40371041)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | AlN薄膜 / 高温成長 / 微細構造 / 不純物 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度(令和2年度)には本新規成長法における原料ガス高温反応プロセスの理解及び成長制御を実現するためにサファイア基板上にAlNヘテロエピタキシャル成長を行った。 AlN成長速度のガス流量依存性、成長温度依存性、TMA原料供給依存性などを詳しく調べた結果、C面サファイア基板上にAlN薄膜の成長速度はガス流量、成長温度及びTMA原料の供給量に依存することが分かった。ガス流量に関しては、AlN薄膜の成長速度が窒素ガス流量の増加と共に減少し、水素ガス流量の増加と共に増加することが分かった。そして、成長温度の上昇及びTMA原料供給量の増加もAlN薄膜の成長速度の増加に貢献することが分かった。 その依存性から成長中のガス反応プロセスメカニズムを定性的に解釈することができた。つまり、窒素ガスの粘性で原料拡散低減によるAlN成長速度の減少、水素ガスとTMA原料との反応でTMA原料の分解促進によるAlN成長速度の増加及び成長温度上昇によるTMA原料の分解促進でAlN成長速度の増加は本成長法における主なガス反応メカニズムである。 また、AlN薄膜中の微細構造及び不純物の評価を行い、本成長法で成長されたAlN薄膜の内部様子を明らかにした。断面透過電子顕微鏡(TEM)観察でAlN薄膜中に極性に関するインバージョンドメンを観察し、その形成メカニズムについてこれからの検討課題になる。不純物に関してはAlN薄膜中にカーボンの濃度(SIMS測定より)が高いことが分かり、その低減措置としてTaCコーティングサセプターの使用を検討した。 更に、チャレンジ的にM面サファイア基板上にAlN薄膜の成長を試み、半極性面(10-13)AlN薄膜の成長に成功した。 以上のような初年度の研究計画に沿って研究を進むことができ、得られた知見を次年度の研究展開に繋いでいく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度には概ね当初の研究計画に沿って研究を行った。 本成長法の成長メカニズムを理解するためにAlN成長速度の各種ガス流量依存性などデーター収集及び分析を行い、定性的に実験結果の解釈ができた。 そして、AlN薄膜中の微細構造及び不純物の評価を行い、本成長法で成長されたAlN薄膜の内部様子を明らかにした。当初予期していなかったインバージョンドメンが観察され、その形成メカニズムの解明が新たに課題になる。 また、AlN薄膜中の不純物を評価し、不純物濃度の低減に改善策を講じることにした。 更に新たにチャレンジした半極性面AlNの成長に成功し、ある程度の知見が得られた。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度には前年度で得られた研究成果に基づき、成長メカニズムの解明への研究を一層推進すると共にAlN薄膜の高品質化を図る。 具体的には、前年度で観察された得られたインバージョンドメンについてその形成メカニズムの解明と制御を行う。 そして、不純物の取り込みに関してはサセプターのコーティングや反応室の残留ガス排除等施しその効果を検証する。また、結晶面及び極性に対し、不純物の取り込みの依存性を詳しく研究する。 以上の研究結果に基づき結晶成長の制御を行いながら薄膜の高品質化を試みる。
|