2021 Fiscal Year Annual Research Report
Local structure characterization of InGaN/GaN multi quantum wells by using synchrotron radiation nanobeam focused by compound refractive lens
Project/Area Number |
20H02644
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
木村 滋 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 回折・散乱推進室, 主席研究員 (50360821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
隅谷 和嗣 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 回折・散乱推進室, 研究員 (10416381)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 屈折レンズ / 放射光 / ナノビーム / InGaN / 多重量子井戸 |
Outline of Annual Research Achievements |
放射光高分解能ナノビームX線回折を利用した局所逆空間マッピングによるInGaN/GaNヘテロ構造の歪評価は、研究代表者等が世界に先駆けて開発を進めてきた技術である。 本研究は、これまでエネルギー30keVまでのX線でしか利用できなかった放射光高分解能ナノビームX線回折システムを、35 keV以上の高エネルギーX線で利用できるようにするため、新たな集光光学素子を開発し、局所逆空間マップの実空間マッピングとIn蛍光X線マッピングの同時測定を可能にするシステムを構築すること、更にそのシステムを利用し、(1-100)面InGaN/GaN多重量子井戸構造の格子緩和とIn組成ゆらぎの相関関係を解明することを目的にしている。 本年度は、SPring-8のBL13XUの第4実験ハッチに設置されている高分解能ナノビームX線回折装置に昨年度、新規に作成したSi製屈折レンズを組み込み、ビームサイズと集光効率の測定を行った。その結果、得られたビームサイズは740 nm(垂直方向)×740 nm(水平方向)、集光効率は33%であった。これらの値は当初目標を充分にクリアしている。 今後、更なる最適化を進めるとともに、本システムの有効性を示すために、 (1-100) 面上InGaN/GaN多重量子井戸構造試料を用い、In 蛍光X線マッピングと局所逆空間マップ測定をサブミクロン空間分解能で実施する。これにより、In組成ゆらぎと格子緩和の相関関係を探索する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度当初、新型コロナの影響を受け屈折レンズ作製に関し業者との打合せができず、納入が予定より遅れた。その遅れの影響が残っているが、新規に作成した屈折レンズの性能は予定どうりの性能が得られたため、最終年度には遅れを取り戻せると思っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、(1-100)面InGaN/GaN多重量子井戸構造を試料として、In蛍光X線マッピングと局所逆格子マップ測定をサブミクロン空間分解能で実施する予定である。これにより、格子緩和とIn組成ゆらぎの相関関係を解明を目指す。
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