2021 Fiscal Year Annual Research Report
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20H02647
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 俊一 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (30162431)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | レーザー加工 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、2光束干渉法を用いて、電子波に対するレンズとして機能するフレネルゾーンプレートを作製することを目指しており、そのためのレーザー加工システムの構築と基礎的な加工実験を進めた。 これまでの研究では、ひとつのレーザービームをビームスプリッターで分割した後、再度重ね合わせることで干渉パターンを作製していたが、本年度は干渉パターンの空間的な安定性の向上をはかることを目指した。 空間光変調器によってフェムト秒パルスをふたつに分け、再び合波して対物レンズへ導光する光学系を構築した。従来法と比較して、分割されたレーザービームの出射角度が一義的に決まるため、角度調整が不要となり、一定の角度でふたつのパルス光が干渉することが可能となった。その結果、明確なレーザー加工痕が観察されるとともに、ステージを動かすことによって多数の加工を施すことができた。加工形状が真円ではない現象が見られたものの、照射する光の偏光状態に起因していることを明らかにし、その解決方法を考案して課題を解決した。本方法では、空間光変調器に与える空間位相情報を適宜変更することによって、多数の回折光を任意の方向に出射することが容易であるため、より複雑な干渉パターンを生成することができる。実際に6つまでのビームに分割した干渉実験を行い、規則的な2次元パターンを持つ加工を施すことができた。これによって、目的とする電子レンズの作製のために、中心対称な干渉パターンによるレーザー加工の実施のための準備が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由 安定に複数の光ビームの干渉加工を行うシステムを構築できたので、研究目標の達成には支障は無いと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
円筒対称な干渉パター―ンによる薄膜加工を実施し、研究目的であるフレネルゾーンプレートの作製を進める。
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Research Products
(7 results)