2021 Fiscal Year Annual Research Report
Cellular functional analysis with super-multiplexed fluorescence/Raman imaging
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20H02650
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小関 泰之 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (60437374)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ラマンイメージング / 蛍光イメージング / 誘導ラマン散乱 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、2020年に確立した高速蛍光/ラマン顕微鏡システムによる超多色イメージングに基づく細胞解析法(iScience 24, 102832 (2021))と、光スイッチングの可能なラマンプローブ(Opt. Lett. 46, 2176 (2021))について論文化を進めた。また、(1) 光スイッチング分子を用いた超解像イメージングのための光学系の構築、(2) 重水素標識したアミノ酸を用いた代謝計測実験、(3) ステージスキャンによる超広視野でのイメージング実験、の3課題の研究を進めた。(1)では、市販の光スイッチング分子CMTEに紫外光・可視光を照射するとともに、そのビームパターンを精密に制御することでラマン応答を変化させる光学系を開発した。(2)では、mMオーダーの濃度の重水素化メチオニンが誘導ラマン散乱で検出可能であることを示すとともに、重水素化メチオニンをHeLa細胞に取り込ませ、その取り込み量とその薬剤応答を計測することに成功した。従来のメチオニン検出用の分子であるアルキン修飾メチオニン(Hpg)と比較して、重水素標識の方が取り込み効率が高いことを示すことができた。これは重水素標識が分子の生化学的特性に影響を与えにくいことに由来すると考えられ、重水素標識の有用性を示す結果である。(3)では、本研究開始当初に存在していた計測システムのバグを丁寧に取り除き、1 mm x 1 mm程度の大面積でのラマンイメージングを数分程度で行えることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画で予定していた超多色蛍光・ラマンによる細胞機能解析法の確立に成功した。さらに、アクティベータブルラマンプローブ、光スイッチングラマンプローブ、代謝イメージング、広域ラマンイメージング等の新しい展開を見出すこともできている。以上のことから、当初の計画以上の進捗を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度までに確立した蛍光/ラマンによる超多色イメージング法・広域イメージング法を用いて、さまざまな生体試料の計測を進め、細胞の薬剤応答、代謝ダイナミクス、複数の小器官の相互作用の計測などを通じて生物学的に新しい知見を得ることを目指す。
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