2022 Fiscal Year Annual Research Report
Defect engineering by spatiotemporally controlled light pulse
Project/Area Number |
20H02656
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
下間 靖彦 京都大学, 工学研究科, 准教授 (40378807)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 結晶 / 欠陥 / レーザー / 量子センサ / ダイヤモンド |
Outline of Annual Research Achievements |
合成法が異なるダイヤモンド基板内の不純物窒素と空孔により形成されるNV中心について、不純物窒素濃度に対するNV中心濃度を系統的に調査した。高温高圧(HPHT)合成されたIb型 ダイヤモンドは、化学蒸着(CVD)合成されたIIa型 ダイヤモンドに比べ、不純物窒素濃度が高くなる傾向があるが、NV中心形成に使用した光源にかかわらず、ダイヤモンド中の不純物窒素の約 10% がNV中心に変換されることがわかった。NV中心の形成において、光励起電子の状態の時間変化が、格子に作用する力に違いを生じさせていることから、フェムト秒レーザーの単一パルスでNV中心形成が可能かを調査した。フェムト秒レーザーのシングルショット(パルス幅 110 fs)のすべての実験において、グラファイト化は観察されず、熱処理プロセスなしでNV中心形成が可能であることを世界に先駆けて実証した。ダイヤモンド構造に欠陥が導入され、NV中心が形成すると、点群C3vへの結晶構造の対称性のやぶれによって、第2高調波(SHG)が観測される。本研究課題の核心をなす学術的「問い」である、「ダイヤモンド内部のNV中心が、いつ形成されるのか」を解明するため、SHG強度変化を観察できる光学系を構築した。さらに、NV中心形成とグラファイト化は確率論的に起こるため、レーザー照射時の透過率変化をモニタリングすることで、導電構造の高効率形成の条件探索を行った。照射レーザーのエネルギー等の諸条件が同一であるにもかかわらず、NV中心形成やグラファイト化が起こる前の透過率の揺らぎが大きく異なることを明らかにした。この現象の原因について、今後詳細に調査する必要がある。
|
Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|