2022 Fiscal Year Annual Research Report
マルチトレーサ法を用いた129I/127I地下水年代測定法の成立性の検証
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20H02674
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
太田 朋子 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (30373020)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 放射性ヨウ素 / 放射性希ガス / 放射性塩素 / 地下水 |
Outline of Annual Research Achievements |
129Iは1000万年以上の滞留時間を持つ深部流体の寄与を証明できる地下水年代測定トレーサーとして有望であるが、4Heや36Cl地下水年代と129I地下水年代は整合性がないものがしばしば見られている。天然レベルの放射性ヨウ素同位体比と核実験後のfalloutレベルの核種情報の整備を行うために、実験室内における同位体交換反応試験とフィールドで得られた核実験後の海水が侵入していると考えられる地下水、地下水年代の若い地下水試料の129I/127I同位体をAMSで実測を行い、核実験後の地下水中の放射性ヨウ素情報を得た。また、深部堆積岩から得られる放射性ヨウ素の実測値と地下水中の実測値の解釈を補うための室内試験を行った。 また、新潟・長岡およびその近郊の堆積岩地帯を中心に、地下水の採取をおこない、地下水中の陰イオン核種の実測を行った。同地域で地下水中のトリチウム等の放射性同位体の実測を行い、フィールド試験地の一部の地下水年代情報を得た。また、天水起源の放射性ハロゲンのローカル情報を得るため、学内(長岡技科大)に原位置の気象情報モニタリングシステムを備えた降下物捕集のための降水・降雪ステーションを設立し、核種の降下量の実測のためのフィールド調査を開始した。さらに、日本海側沿岸部との比較のため、気象条件・立地が異なる関東地方平野部でも降下物捕集のための降水ステーションを設立した。捕集した降水・雪中の陰イオン核種分析に付随する安定核種分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フィールドワークが遅れている
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Strategy for Future Research Activity |
新潟・千葉の堆積岩地帯を中心に、地下水の採取を行う。堆積岩地帯の地下水中の129I濃度と同位体情報の比較を行うために、フィールドで採取をした地下水中のヨウ素を化学分離抽出を行い、放射性ヨウ素は加速器質量分析計(AMS)で、安定ヨウ素はICP-MSで実測を行う。
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