2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development and risk assessment of new geothermal development by supercritical CO2 fracturing
Project/Area Number |
20H02676
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 杏奈 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (60796449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋田 俊之 東北大学, 工学研究科, 教授 (40180814)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | フラクチャリング / CO2利用 / 地熱開発 / マイクロ流路 |
Outline of Annual Research Achievements |
注入流体を超臨界流体(超臨界CO2、超臨界水)としたフラクチャリングでは、3次元的な細かいき裂ネットワークが形成されることが実験的に示されており、地熱開発に理想的な貯留層を造成し、かつ、CO2を地下に注入することで温室効果ガス削減に貢献できると考えられる。本研究では、流動-破砕連成モデルを用いてミクロスケールでの破砕メカニズムを解明し、フィールドスケールの貯留層造成シミュレーションを開発する。また、大きな懸念として、フラクチャリングに伴う大きな地震発生リスク、CO2還元に伴う塩析出促進・浸透性低下リスク等を合わせて検討し、フラクチャリングのための最適な注入条件のデザインを行う。当該年度では,流路デザイン作成・シミュレータ開発、マイクロ流路の発注、流動実験装置の開発、マイクロ流路を用いた予備実験を行い、流動実験装置による流動実験・結果の解析を行った。シミュレータの開発では,2Dのミクロスケールの流動-破砕連成モデルを改良し,差応力下での検討を行った。破砕パターンのシミュレーション結果は、実験結果とよく一致した。また、シミュレーションによって、粘性の低い超臨界水は浸透効果が強く、広域的な有効応力を低下させるため、せん断破壊が発生しやすくなることがわかった。差応力や拘束応力が大きいと、より複雑な雲状割れ目ネットワークが形成されることを見出した。この結果は、超臨界圧水によるフラクチャリングが、これまで考えられてきた地熱資源のみならず超臨界水によるフラクチャリングは、これまで考えられてきた地熱資源だけでなく、さらに深部での開発にも有効であることが明らかになり、地熱開発の飛躍的な進展に寄与することができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
数値シミュレーション開発については,順調に進展している。一方,実験の方では,作成した流動実験装置を用いてマイクロ流路を設置したところ、マイクロ流路のガラス面が割れてしまい、流動実験ができなかった。そのため、流動測定装置ならびにマイクロ流路の再設計をして、マイクロ流路の再発注、流動実験装置による流動実験・結果の解析を実施する必要が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロ流路を用いた流動実験では,シミュレーションは検討していなかったため,共同研究ができそうな海外の共同研究者と議論しながら推進していく.
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Research Products
(15 results)