2023 Fiscal Year Annual Research Report
表面吸着分子のギャップリノーマリゼーションと分子物性変化の解明
Project/Area Number |
20H02694
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加藤 浩之 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (80300862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 剛司 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教 (90432468)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | HOMO-LUMOギャップ / 導電特性 / 光学特性 / 光電子分光法 / 走査トンネル顕微/分光法 / 差分反射分光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
分子デバイスにおいて、分子が求められる物性は導電性や吸光/発光特性であり、分子の最高占有軌道(HOMO)準位および最低非占有軌道(LUMO)準位の正確な情報が欠かせない。分子超薄膜内を電荷が移動するとき、HOMO/LUMOにはそれぞれ正孔/電子が流れるため、電極基板から受ける静電的相互作用が異なり、両軌道間のエネルギー準位差が変化する。これはギャップリノーマリゼーションと呼ばれ議論されてきたが、現在でも十分な理解には至っていない。そこで本研究課題では、表面吸着分子におけるHOMO/LUMO準位を基板からの距離の関数として実測すると共に、分子超薄膜に対し導電性や光学特性を計測して、ギャップリノーマリゼーションが及ぼす分子物性への影響を総合的に解明することに挑戦する。 令和5年度も、差分反射分光(DRS)測定に関する研究と、官能基を有するアルカンチオラート単分子膜(SAM)の反応と電荷移動に関する研究について、それぞれ発展させることができた。まず、新たに立ち上げた超高真空型のDRS装置を活用し、機能性アルカンチオラート単分子膜の実信号検出に成功することができた。得られた結果には、当初から予想されていたとおり、分子膜のDRS信号に基板の光学吸収が影響していることが確認された。これらの結果を、先の理論計算で求めた光学吸収スペクトルと比較検討することで、定量的な解析が可能になる。これによって、光学吸収におけるギャップリノーマリゼーションの影響を定量的に解明できることが期待される。また、立ち上げた超高真空型のDRS装置には、SAM膜の仕事関数を定量的に観測する検出器も合わせて設計し組み込んでいた。この検出器の立ち上げにも成功し、官能基の化学反応がもたらすHOMO/LUMO準位の変化が電荷移動を誘起することを実証することができた。この成果は、近日 原著論文として投稿する予定である。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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