2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20H02705
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
佐藤 弘志 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, ユニットリーダー (20598586)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | トポロジカル結合結晶 / 多孔性材料 / 機械的特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度は、ほとんどがカテナンからなる多孔性結晶の特異性を力学特性の面から明らかにすることに成功した。カテナンの構造や用いる金属イオンを変えて多孔性結晶の合成に取り組み、異なるネットワーク構造を有する多孔性結晶を得ることに成功した。しかしながら、前年度に評価した多孔性結晶とまったく異なる結晶構造を有する化合物群に関して評価を行い、系統的な研究を推進することは困難に思われた。そこでカテナンの基本構造を見直し、分子構造に対して以下の変更を行った。(1)カテナンの環状ユニットを芳香族アミドから脂肪族アミドへと変更。この変更により、環状ユニットのサイズを1炭素ずつ微調整することが可能となった。(2)環状ユニットあたりのカルボン酸数を2から1へと変更。この変更により、カテナンが結晶中で固定される箇所を減らし、より高い運動自由度をカテナンが得ることを期待した。これら分子構造改変によって、今回新たに、環サイズの異なる10種類以上のカテナンの系統的合成に成功した。新たに得たカテナンファミリーの結晶化を行っていたところ、ある結晶化条件を用いると異なる環サイズのカテナンであっても全く同じ配列様式かつ多孔性の結晶群が得られることを発見した。結晶構造解析の結果、(1)カテナンを構成する環状ユニット間で分子内水素結合が形成され、カテナン分子が空孔を与えるようなコンフォメーションへと固定化され、(2)隣接するカテナン同士がカルボン酸ユニットとアミド結合のカルボニル基との間で分子間水素結合を形成しながら1次元配列することで直径4オングストローム前後の1次元細孔が形成されていることがわかった。この発見により、トポロジカル結合からなる多孔性結晶の力学特性に関して系統的調査を行うことが可能となった。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)