2021 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis of Hypervalent Organobromine and Chlorine Compounds by Electrochemical Approaches and Their Use in Organic Synthesis
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20H02720
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮本 和範 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 准教授 (40403696)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 超原子価 / ハロゲン / 臭素 / 塩素 / 電気化学 / 電解 |
Outline of Annual Research Achievements |
超原子価有機ヨウ素化合物は、高い反応性と安全性が両立する優れた反応剤であるため、現代有機化学の様々な局面で頻用されている。一方、同族の超原子価有 機臭素および塩素化合物は、遥かに高い反応性を示すことが期待される一方で、実用的な合成法が無く、長い間その性質はほとんど謎に包まれていた。申請者らは、およそ20年程前に、三フッ化臭素を原料とする各種超原子価臭素化合物の合成法を開発し、その反応性について明らかにしてきたが、原料の取扱いの難しさ(高毒性、爆発性など)から、他の研究者の参入が困難であり、当該分野の発展を妨げてきた。また、周期が1つ上の塩素については、超原子価有機塩素化合物の合成そのものがほとんど報告されていない状況にあった。そのような背景のもと、本研究では新たな超原子価臭素および塩素化合物の合成法を確立するべく、 分子構造、溶媒系、酸化手法について広く検討を行ってきた。特に最後の酸化手法に関して、電解酸化を中心に精査する過程で、幾つかの重要な知見が見いだされた。すなわち、1) 酸化する対象元素の隣接位に配位性官能基を導入すると反応が進行しやすくなること、2) Lewis 酸の添加や溶媒効果が反応の選択性に重要であること、3) 得られた化学種の配位子交換により発展的に多彩な化学種が合成できること、などが明らかになってきた。一方、塩化アリールの直接酸化による超原子価塩素化合物の合成はいまだ実現できておらず、更なる検討を要する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究に必要な試薬、機器を入手し種々検討の結果、超原子価臭素化合物の合成法を確立しつつある。昨年度は反応容器や電極材料の入手に遅延が生じたため研究の遅れがみられたが、遅れを取り戻し研究の進捗はおおむね順調と考えられる。一方、超原子価塩素化合物の酸化的合成は、困難が多くいまだ十分実現できていないため、さらなる検討が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
電解条件の最適化と並行して、生成した超原子価ハロゲン化合物の安定化を目指し、分子構造の最適化にも着手する。予備的結果ではあるものの、ブロモアレーンのオルト位に電子求引性のエステル基を導入したところ、芳香環の酸化を抑制と臭素の酸化効率の増大を両立できることが予想された。今後は、化学酸化剤および電解を活用し、理論計算で優れた安定性が予想された超原子価ハロゲン化合物の効率の良い合成法を更に精査する予定である。
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Research Products
(8 results)