2020 Fiscal Year Annual Research Report
Fine Tuning of Group 9 Metal-Chiral Acid Hybrid Catalysts Towards Deepening and Extension of Asymmetric C-H Functionalization
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20H02730
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松永 茂樹 北海道大学, 薬学研究院, 教授 (50334339)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 不斉合成 / 不斉触媒 / C-H官能基化 / 遷移金属触媒 / キラル酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度には、3項目の研究内容について、それぞれ以下の取り組みを行った。 (i)アキラルCp部への官能基導入について :水素結合能を有するユニットをアキラルCp部に導入したアキラルなロジウムあるいはイリジウム触媒を調製し、キラルカルボン酸とのハイブリッド化による立体制御を検証した。結果、アミドを有するCpロジウム錯体とキラルビナフチル骨格を有するカルボン酸の組み合わせが有効でありことがわかり、95:5のエナンチオ選択性を実現することに成功した。今後、エナンチオ選択性発現の要因を量子化学計算を駆使して突き詰めていくことで、最適触媒の探索の効率化を目指す。 (ii) キラル求核触媒との協働系について :キラル求核触媒を単一のキラル源としたCーH官能基化における立体制御についての検証を実施した。予備的データをもとにBenzotetramisole(BTM)触媒の誘導体化を中心に反応性と立体選択性についての調査を実施し、低い収率ながらも良好な立体選択性を得る組み合わせを見出した。次年度以降、反応剤の低速添加などを駆使した収率の改善を目指した検討を実施していく。 (iii) 新規キラル酸の活用について: 新しい分子骨格を有するキラルカルボン酸の設計と合成を進め、ピリジンを配向基とするC(sp3)-H結合の選択的切断とアミノ化に関して高いエナンチオ選択性を実現することに成功し、成果を取りまとめた。次年度以降は、開発した新しい擬似C2対称性キラルカルボン酸の様々な金属触媒および不斉反応への適用拡張を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
非常に順調に研究が進行しており3点の検証項目、 (i)アキラルCp部への官能基導入について、(ii) キラル求核触媒との協働系について、 (iii) 新規キラル酸の活用について、で研究が順調に進捗している。特に(iii)については初年度で論文公表にまで行き着いており、計画以上の進展である。
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Strategy for Future Research Activity |
非常に順調に研究が進行しており、当初の計画に沿って、3点の検証: (i)アキラルCp部への官能基導入について、(ii) キラル求核触媒との協働系について、 (iii) 新規キラル酸の活用について、を実施する。
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Research Products
(7 results)