2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20H02732
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鷹谷 絢 東京工業大学, 理学院, 准教授 (60401535)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 有機合成化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
遷移金属協同作用触媒として,Ru-Pd二核錯体の合成と機能開拓に取り組んだ。その結果,ルテニウム上の2つの塩素配位子を置換し,ルテニウム上にホスフィン配位子とMeCN配位子を持つジカチオン性Ru-Pd錯体を得ることに成功した。 合成したジカチオン性Ru-Pd二核錯体が光増感機能と二酸化炭素還元能を併せ持つ単一錯体触媒として機能することを期待し,これらを触媒とする二酸化炭素の光化学的還元反応を検討した。その結果,1気圧の二酸化炭素雰囲気下, DMA溶媒中で触媒としてPPh3配位錯体,犠牲還元剤として約1300倍モル量の1,3-dimethyl-2-phenyl-2,3-dihydro-1H-benzo[d]imidazole(BIH)を用い405-590 nmの光を室温で4時間照射すると,二酸化炭素の2電子還元生成物である一酸化炭素が触媒回転数(TON)= 295,触媒回転頻度(TOF) = 74で生成することを見出した。またこの時,二酸化炭素のもう1つの2電子還元生成物であるギ酸の生成は少量にとどまり,高い一酸化炭素選択性で反応が進行することが明かとなった。これらの触媒活性は,単一錯体触媒を用いた二酸化炭素から一酸化炭素への選択的光還元反応において,これまでに報告されたなかでも最高レベルである。以上の結果は,ジカチオン性Ru-Pd二核錯体が光増感機能と二酸化炭素還元能を併せ持った複合機能触媒として非常に有望であることを示しており,人工光合成反応開発における新たな触媒分子設計を提示するものとして大きな意義を持つ。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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