2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of NHC Ligands Having Both Highly Donating and Accepting Characters and Their Application to Fundamental Catalyses
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20H02733
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
芝原 文利 岐阜大学, 工学部, 准教授 (60362175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 雄一郎 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 上級研究員 (50453676)
植村 一広 岐阜大学, 工学部, 准教授 (60386638)
坂田 健 東邦大学, 薬学部, 教授 (90328922)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 含窒素複素環カルベン / 受容性カルベン / π酸性触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
イミダゾ[1,5-a]ピリジンを母骨格とする含窒素複素環カルベン(NHC)の特異な電子的特性に注目して研究を進めた。以前からの検討で、すでに計算化学のモデル上ではこのカルベン炭素が他のNHCと違い有意な受容性を示すことが予想されていた。該当年度の研究期間中には、特にこれら性質を実験化学的な手法で明らかにするために、種々の遷移金属触媒反応の配位子に利用してその活性の変化に注目した。この様な配位子を使った場合には、遷移金属のπ酸性が向上することが予想される。そこで、特に反応機構が明らかであり、そのような触媒で活性が顕著に向上すると考えられる、溝呂木ーヘック反応やアルキンの水素化反応に利用し、イミダゾピリジンカルベンの電子的性質と触媒反応の活性の相関を調査した。結果として、フリーカルベン状態のアクセプター性軌道のエネルギー準位の値と、触媒反応の活性は有意な相関が見られ、興味深いことに、イミダゾ[1,5-a]ピリジン環の1位に導入した置換基の電子的な影響もラショナルかつ顕著に反応性に影響する程度の影響があることが明らかになった。また、いずれの場合も従来型NHCと比較して顕著な触媒活性の向上が確認され、アクセプター性を保つカルベン配位子としての利用が適切なようとであることが示された。また、5位に導入した置換基の立体的な影響も顕著であり、錯体によっては分子内配位の安定化効果が見られることも示され、前述の触媒反応においても、その置換基の有無が正負両面で、活性に大きな影響を与えることがわかってきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予想していたイミダゾピリジンカルベンの性質の触媒活性への顕著な影響が確認され、さらにそれらの性質が単純な置換基導入により、実際の触媒反応の反応速度に顕著な影響をあたえるレベルで制御可能であることが明らかになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
ここまでで電子的な特徴を明らかにしてきたが、イミダゾピリジンカルベンは立体的な構造もBuchwald配位子様の構造が構築できるため、反応に対する影響に興味がもたれる。今後は、電子的な性質とともに立体的な性質も踏まえた検討を進め、特に新しい触媒反応への適用を検討していく。
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Research Products
(8 results)