2022 Fiscal Year Annual Research Report
C3対称性を持つ光学活性シクロファンの効率的な合成法の開発と機能性材料への応用
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20H02739
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三浦 智也 岡山大学, 環境自然科学学域, 教授 (10378804)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | C3対称 / 光学活性シクロファン / シクロプロパン / 不斉脱芳香族化反応 / 多孔性材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
C3対称性を持つ有機分子の化学は、一般にその合成手法に乏しいことが主要因でほとんど手つかずの状態であります。我々は自らが開発したトリアゾールを金属カルベン種の前駆体として利用するロジウム触媒反応を用いて、C3対称性を持ち側鎖にアルデヒドを有する光学活性シクロファン([3]CPPC-CHO)を完全なエナンチオ選択性で不斉合成できることを報告しました。本反応では、求電子性部位と求核性部位を持つトリアゾール(二官能性モノマー)を基質に用いることで、不斉シクロプロパン化反応が3度くり返して進行します。今回、(i)テトラマー([4]CPPC-CHO)の合成と(ii)[3]CPPCを基本骨格とするアニオン補足型触媒の開発とを試みました。 i)テトラマーを合成するにあたり、すでにシクロプロパン環を有する二官能性ダイマーを用いれば、ダイマー+ダイマーでテトラマーが合成できるのではないかと考えました。実際に、二官能性ダイマーを用いてロジウム触媒反応を行なったところ、テトラマーが収率13%、99% eeで得られました。また、単結晶X線構造解析によりC2対称の折れ曲がり構造をしていることがわかりました。さらに、温度可変NMRより、動的挙動の解析と活性化エネルギーの算出を行い、環反転の活性化エネルギーを明らかにしました。 ii)トリアゾール環の電荷は、C(5)位水素側に正、N(3)位窒素側に負と、偏っていることが知られています。そこで[3]CPPC-CHOの側鎖のアルデヒドを足掛かりにして、[3]CPPCにトリアゾール環を導入し、これをアニオン捕捉型触媒とする不斉反応の開発を行いました。不斉反応のモデル反応として、クロロギ酸2,2,2-トリクロロエチルとシリルケテンアセタールを用いたキノリンの不斉脱芳香族化反応を検討したところ、28% eeと低いながらエナンチオ選択性が発現することがわかりました。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)