2020 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis of poly-substituted aromatic compounds from diazoquinones
Project/Area Number |
20H02744
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
北村 充 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (10313199)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ジアゾ化合物 / ジアゾキノン |
Outline of Annual Research Achievements |
単環のベンゼン誘導体から多環芳香族炭化水素(PAH)まで,芳香族骨格を有する生理活性物質や機能性材料は多い。これらの材料開発を迅速に進めるには,多置換芳香族化合物を位置選択的に自在に合成する手法の開発は必須である。ジアゾキノンは,活性化基となるジアゾ基を内在する芳香族ユニットであり,これを用いれば,置換芳香族化合物を自在に合成できるようになると期待される。特にこれまで合成が難しかった多置換フェノールや,医薬品,新型π系化合物などの機能性物質の合成法を短工程で提供できるようになる。本研究は,1)ジアゾキノンの簡便な合成法の開発,2)多置換芳香族化合物や材料を指向したジアゾキノンの反応開発,3)開発した反応を用いる有用機能性物質の合成,を目的とし,ジアゾキノンを中心とする新しい芳香族合成化学を確立しようとするものである。 本年は,フェノールから,一段階でジアゾキノンを合成する手法の開発に成功した.これまでにアジドイミダゾリニウムが,ジアゾ移動剤となることを見出していたが,フェノールを直接ジアゾ化することはできなかった.窒素上が,嵩高いアリール基を持つアジドイミダゾリニウムを用いると,塩基存在下フェノールをジアゾ化できることがわかった.また,Rh触媒を用いたジアゾキノンのホモアシル化を利用した,天然物コシノスタチンのアグリコン合成に取り組んだ.その結果,EFCDE環の構築を行うことができ,アグリコンの合成の足がかりをつかんだ.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り,当初の目的の一つである,ジアゾキノンの簡便な合成法を開発することができた,さらに,ジアゾキノンを用いた反応を利用した,反応開発や,応用についても一定の結果を得ることに成功しているため.
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Strategy for Future Research Activity |
ジアゾキノンを用いた反応開発とその反応を利用した有用物質の合成に取り組む.反応開発については,光や金属錯体を作用させ,置換フェノールや複素芳香環の合成を検討する.また,有用物質の合成に関して,コロネン型化合物や多環式天然物コシノスタチンの合成をジアゾキノンを用いた反応を利用して効率的にすすめる.
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Research Products
(1 results)